研究課題/領域番号 |
21K17230
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
中村 晃久 自治医科大学, 医学部, 助教 (00880072)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 地域医療 / COVID-19 / 医療提供体制 / 地域相関研究 / 中山間地域 / へき地医療 / へき地診療所 / ICPC-2 / へき地 / 受療行動 / 住民調査 |
研究開始時の研究の概要 |
地域医療では、医療・人的資源が限られた中でもCOVID-19診療と一般診療の両立が求められている。本研究では地域住民とへき地医療機関の医療従事者のCOVID-19に対する知識・態度・行動(KAP)の把握を目的に、地域住民とへき地医療機関の医療従事者を対象にKAP調査を実施する。また、へき地医療機関の一般診療とCOVID-19の両立に向けた課題の特定を目的に、へき地医療機関を対象とした全国調査及びへき地診療所の受診患者を対象にした後方視的観察研究を実施する。これらの調査により、へき地医療機関での一般診療とCOVID-19診療を両立させる環境の整備を目指す。
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研究実績の概要 |
COVID-19の感染状況は、地域の特性が関与し得る。地域特性には、医師と病床の分布、高齢者施設数、高齢化率が含まれる。日本は都道府県の単位で医療計画が策定されている。COVID-19による死亡と地域特性との関連をみるために、地域相関研究を実施した。 都道府県別のCOVID-19の罹患者数と死亡者数を公的な厚生労働省の感染者動向から得た。本研究ではCOVID-19による死亡者数をCOVID-19の罹患者数で除した値に、10,000をかけた値をCOVID-19死亡指数とした。各都道府県の病床あたりの医師数、人口10,000人あたりの高齢者施設数および高齢化率を独立変数とし、COVID-19死亡指数を従属変数として、単相関分析と多変量による重回帰分析を行った。続いて、47都道府県を人口規模で2分割して、層別解析を行った。 47都道府県のCOVID-19の死亡指数の平均は、12.7 (最小-最大:4.7-25.7)であった。単相関分析では、COVID-19死亡指数に対して病床あたりの医師数(r=-0.386; p=0.007)に負相関が、人口10,000あたりの高齢者施設数(r=0.397; p=0.006)と高齢化率(r=0.471; p=0.001)に正相関がみられた。人口下位集団での層別解析では、COVID-19死亡指数に対して病床あたりの医師数(β=-0.543; p=0.024)が負相関し、高齢化率(β=0.434; p=0.032)が正相関し、人口上位集団ではCOVID-19死亡指数と各因子との相関は弱かった。 人口規模が小さい県の集団では、COVID-19死亡に対して病床あたりの医師数に負の相関が認められ、高齢化率に正相関が認められた。この結果は、高齢化率が高く、人口規模がより小さい県で、病床機能の調整を図る必要性があることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の感染状況と地域特性との関連をみるための地域相関研究は解析を終え、論文投稿中である。今後は、感染症領域の地域医療の標準化に向けた研究を推進する。
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今後の研究の推進方策 |
感染リスク共存社会を支える地域医療機関の医療提供体制の強化に向けて、地域医療の標準化(特に感染症領域)に向けた研究を推進する。
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