研究課題/領域番号 |
21K17257
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
山本 健 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (80837310)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ヘルスリテラシー / 学校薬剤師 / ティーム・ティーチング |
研究開始時の研究の概要 |
諸外国に比べ,日本人のヘルスリテラシーは低い.本邦においては健康情報の取扱いの基本は学校教育にて養われる.近年,【医薬品の適正使用】に関する教育が新しく学習指導要領に盛り込まれたが,主な教育者は医薬品について非専門家であり,教育において重要な教材も教育者によって大きく異なる. 本研究では医薬品教育を改善し,国民のヘルスリテラシーを向上させることを目的とし,①医薬品教育資材の「入手・理解・評価・活用」するための有用性評価ツールの作成と検証②学校薬剤師が参画する「ティーム・ティーチング(T・T)」の推進に向けた現状の課題と解決方法ついて調査・検討し,多面的に医薬品に関する教育を改善させる.
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研究実績の概要 |
医薬品教育に関わる資材に対する評価手法については現在確立されていない。ヘルスリテラシーが低い日本国民にとって今後、必要な医薬品情報を「入手・理解・評価・活用」する能力を獲得出来るか否かについて着目した資材の評価方法の確立が必要である。加えて前述した資材を評価し、適切な教材を提供できたとしても、適切な指導が行われない限り、ヘルスリテラシー向上には至らない。そこで、文部科学省からも推奨されている「学校薬剤師が参画するT・T(ティーム・ティーチング)」に対し、現状どのような障壁があり、それらについてどのような解決方法があるかを見出すことで、今後、日本国民のヘルスリテラシーの向上に寄与できるのではないか考え、研究を進めている。 2年目となる昨年度は、米国の保健教育にて求められているパフォーマンスについて、本邦にて出版されている小学校・中学校・高等学校で用いる保健体育科教科書ではどの程度習得する機会があるのか検討を行った。その結果、薬の正しい使い方など知識については、学年横断的に記載があり、学習する機会が担保されていると考えられた。しかし、小学校学習指導要領には医薬品に関する記載はなく、多くは「発展的な学習内容」として取り扱われていた。よって、学習環境もしくは児童生徒の学習意欲などにより学習機会にばらつきがあることが推察された。また、適切な情報源から情報を入手する方法や対人コミュニケーションスキルの習得は十分な記載がされていなかった。これらの結果から知識習得に偏重した学習ではなく、学校で学習したことが将来につながるよう、医薬品教育ひいては保健教育の内容について更なる検討が必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度中に、資材を対象とした医薬品情報を入手・理解・評価・活用するための適切性に関する評価指標を作成し,評価を行う予定であったが、指標の作成まで至らなかった。 また、T・T に対する障壁とその解決策を探索するためのアンケート調査を実施する予定だったが、実施までは至らなかった。 昨年度は、新型コロナウイルス感染症対応の影響で、他業務にかけるエフォートが大きくなり、本課題にかけるエフォートが低下してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
本報告書作成時点では、評価指標のドラフト作成は終了している。アンケート調査についても、当初予定していた調査対象である学校薬剤師に加え、養護教諭・保健体育科教諭にまで調査対象を広げ、計画を策定しており、今年度前半には実施予定である。今後は滞りなく調査を進行・完了させる予定である。
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