研究課題/領域番号 |
21K17258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
清海 杏奈 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (10779929)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 医療ビッグデータ / 抗がん剤 / 副作用 / ベバシズマブ / 蛋白尿 / 降圧薬 / タンパク尿 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、実臨床で集積された医療ビッグデータを用いた研究が世界的に注目されている。本研究は、日本の代表的な医療データベースである国立病院機構診療情報集積基盤(NCDA)に蓄積された診療情報を用いて、2016年1月-2019年6月に、ベバシズマブが入院初回投与された患者2000例を対象とし、ベバシズマブによる①タンパク尿発症率および発症の時期を明らかにし、②降圧薬の予防投与の有効性を薬剤間で比較することを目的とする。これにより、臨床で汎用される代表的な抗がん剤であるベバシズマブの有害事象であるタンパク尿の発症と予防に関する客観的なエビデンスを得ることができる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、抗腫瘍薬ベバシズマブの主要な副作用である蛋白尿のリアルワールドでの発生率とリスク要因を医療ビッグデータを用いて明らかにし、蛋白尿予防に用いられる降圧薬の有効性を検討することとした。国立病院機構データベースを使用し調査した結果、27%が蛋白尿を発症していた。看護依存および収縮期血圧が140 mmHg以上が統計的有意性をもってリスク要因として特定された。ベバシズマブ投与後に蛋白尿を発症する患者は、実臨床ではこれまでの報告よりも多い可能性があり、看護依存および収縮期血圧はベバシズマブ起因性蛋白尿の予測リスク要因であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医療情報データベースに含まれる日々の診療記録や患者の検査結果及び看護記録などのデータを対象として実態を明らかにし、そこで得られた知見から医薬品の適正使用や患者への個別化医療を推進する手法こそ正に本研究の特色かつ社会的意義を高める要素である。リアルワールドデータを用いて実施した本研究の結果から、ベバシズマブによる蛋白尿は実際には30%近い患者で発症していることが明らかになり、そのリスク因子も特定された。ベバシズマブは世界で用いられる代表的な抗がん剤であり、その有害事象である蛋白尿の発症に関する客観的なエビデンスを得ることのできた本研究は学術的・社会的に意義があると考えられた。
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