研究課題/領域番号 |
21K17266
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
藤原 悠基 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20881220)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PFAS / neuron / 甲状腺ホルモン / 血液脳関門 / 脳発達 / 神経分化 / 環境化学物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を始めとする有機フッ素化合物類(PFASs)によるヒト中枢神経系分化・発達への影響を解析する。これまで、実験動物を用いた研究から、周産期のPFASs曝露が中枢神経系の発育・発達を阻害する可能性が報告されている。しかし、ヒトの周産期PFASs曝露による影響は明らかではなく、さらにPFASs曝露によって影響が示されるメカニズムは明らかではない。以上から、PFASs曝露による影響を「ヒト胎児由来神経前駆細胞株を用いた神経分化」「BBB透過性及び機能」から評価すし、PFASs曝露による胎児脳神経系の発達、発育への影響とその機序の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
有機フッ素化合物類(PFASs)は、熱・化学的安定性等の物性を示すことから、消化剤等の幅広い用途で使用されている。この有機フッ素化合物の一種であるパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は構造の安定性から高い蓄積性を持ち様々な毒性を持つことが示唆されている。本研究は神経発達毒性に着目し、甲状腺ホルモンを介した神経発達への影響および血液脳関門への影響を検証した。その結果、PFOSによる樹状突起形成阻害が甲状腺ホルモン変換酵素であるD2を介した影響であることを示した。また、血液脳関門については高用量曝露時に影響を及ぼす可能性が示されたが脳内への移行については輸送体等を介した影響が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
その化学的な安定性から蓄積性が高く様々な影響が示唆されるPFASの一種であるPFOSは様々な毒性影響を持つことが示唆されており、その一つが神経発達毒性である。しかし、in vivoおよび疫学研究から神経発達毒性への影響が示唆されていたがそのメカニズムは明らかとなっていない。本研究では、甲状腺ホルモン変換酵素を介した毒性影響により神経発達に重要である樹状突起形成を阻害する可能性を報告した。この報告はPFOS曝露による甲状腺ホルモン系を介した毒性影響メカニズムの一端に迫る重要な報告である。
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