研究課題/領域番号 |
21K17273
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
中尾 俊雅 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 臓器移植センター, 専門修練医 (30829320)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん予防 / 家族性大腸腺腫症 / アスピリン / がん免疫 / ガン予防 / Minマウス / FAPマウス / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで大腸がん予防研究において、抗炎症剤であるアスピリンなどを用い炎症などを制御する方法の研究が行われてきたが、免疫学的なアプローチによるがんの制御の研究はほとんど行われてこなかった。近年、免疫抑制細胞が、大腸がんの高危険疾患である家族性大腸腺腫症(FAP)のモデルマウス(Minマウス)の腸ポリープ産生に重 要な役割を果たしている可能性が示された。そこで本研究では、アスピリンが免疫抑制細胞 を制御することにより、腸ポリープ産生を制御するという仮説を立てた。まず、Minマウス における免疫抑制細胞及び腸ポリープ産生の関連を詳しく解析する。次に、家族FAP患者サンプルで確認する。
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研究実績の概要 |
これまで大腸がん予防研究において、抗炎症剤であるアスピリンなどを用い炎症などのプロモーター作用を制御する方法の研究が行われてきたが、免疫学的なアプローチによるがんの制御の研究はほとんど行われてこなかった。近年、免疫抑制細胞が、大腸がんの高危険疾患である家族性大腸腺腫症(FAP)のモデルマウス(Minマウス)の腸ポリープ産生に重要な役割を果たしている可能性が示された。そこで本研究では、アスピリンが免疫抑制細胞を制御することにより、腸ポリープ産生を制御するという仮説を立てた。まず、Minマウスにおける免疫抑制細胞及び腸ポリープ産生の関連を詳しく解析した。次に、家族FAP患者のパラフィンサンプルや超音波所見などを用いてMinマウスで得られた知見が、ヒトにおいて確認できるか実証した。 Minマウスによる実験では、主に体内で循環している免疫細胞が、Myeloid-derived suppressor cells(MDSCs)であることが確認された。また脾臓摘出したMinマウスでは免疫抑制細胞の除去が起こり、ポリープ産生が抑制されることが確認された。 現在Minマウスのポリープに対する多重免疫染色を実施しており解析結果待ちである。 FAP患者では健常人と比較して脾腫が増悪することが証明できた。患者サンプルにおける免疫抑制細胞の同定する実験を予定している。またポリープ数と脾腫の増悪の相関性を解析中である。 現在の知見でも新規性が高いデータであるが、現在解析中のデータも併せて論文化する予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Minマウスによる実験では主に体内で循環している免疫細胞がMyeloid-derived suppressor cells(MDSCs)であることが確認された。また脾臓摘出したMinマウスでは免疫抑制細胞の除去が起こり、ポリープ産生が抑制されることが確認された。 現在Minマウスのポリープに対する多重免疫染色を実施しており解析結果待ちである。 FAP患者では健常人と比較して脾腫が増悪することが証明できた。患者サンプルにおける免疫抑制細胞の同定する実験を予定している。またポリープ数と脾腫の増悪の相関性を解析中である。 現在の知見でも新規性が高いデータであるが、現在解析中のデータも併せて論文化する予定としている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題の推進方策としては①Minマウス②FAP患者に対する実験計画が異なるため以下に記載する。 ①・腸管ポリープの免疫細胞に対する多重染色・免疫細胞のin vitro機能解析。具体的にはリンパ球交差試験による機能評価。 ②・血液サンプル内の免疫抑制細胞、特にMDSCsの同定・同定できた免疫細胞の機能解析。具体的にはリンパ球交差試験による機能評価。・患者ポリープ数と脾腫の相関性の解析・患者ポリープの多重免疫染色。 研究を遂行する上での課題としては患者サンプルの採取が困難であることであるが、順次解析をすすめる予定としている。
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