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全ゲノム解析と患者疫学情報による病原体伝播経路推定法の確立とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K17280
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

藤倉 雄二  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 内科, 准教授 (60598796)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード分子疫学解析 / 全ゲノムシーケンス / 次世代シーケンサー / ナノポアシーケンサー / ベイズ推定 / ベイズ理論 / 分子疫学 / アウトブレイク
研究開始時の研究の概要

本研究では、患者から得られた様々な病原体の全ゲノム解析を行い、各々の塩基配列の変異を抽出したうえで、患者の時間情報(入院時期、検出日など)を統合し、ベイズ定理を利用した伝播経路を高精度に推定・図示する手法を発展・最適化させる。本手法は細菌のみならず新型コロナウイルスなどウイルスにも幅広く応用でき、新たな伝播経路の探索及び伝播のリスク因子を同定・解析することで、効率的な感染対策を講じるための知見を提供する。

研究実績の概要

2023年度は昨年度に引き続き院内感染の原因微生物として新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)と薬剤耐性アシネトバクターを対象として、ベイズ推定による伝播経路予測プログラムパッケージ群(BadTrIPとBEAST2)を用いた、院内アウトブレイク(クラスター)解析について研究を進めた。
SARS-CoV-2については、当院内で発生した2回のクラスター(8症例と11症例のクラスター)で発症時期や検体採取日、ゲノム情報をもとに伝播経路予測図を作成した。うち1個のクラスターでは、抗原検査により陽性判定されてたため遺伝子が採取されておらず、ゲノム情報が欠失している検体が多く、この場合には計算過程で伝播の事後確率の重み付けが不十分であり、有効な伝播経路予測が作成できなかった。妥当性の高い伝播経路の推定には十分なサンプルのゲノム採取が必要であることが裏付けられた。
薬剤耐性アシネトバクターについては昨年度課題としていたパラメーター設定を工夫したところ、伝播経路予測図の作成が可能となった。作成した伝播経路予測図の妥当性検証を行い、ごく一部の伝播については記述疫学で予測された経路と異なる部分を見いだした。伝播に係るリスク因子も統計解析を行ない、特に入院期間が長い場合に他患者に伝播するリスクが高まると推定された。さらに伝播(感染者、非感染者)に係るリスク因子を検討中である。これらの結果については今後学会発表ないしは関連雑誌の予定である。
最も妥当性の高い伝播経路予測図作成のためには、さらに推定モデルを複数用意し、実臨床での記述疫学との比較が求められる。今後の課題と考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度課題にした、対象とする病原体が不足している点が懸念点である。現状でも複数の病原体、特にSARS-CoV-2の解析はできているが、さらに様々な病原体(様々な伝播様式)を検証することで、モデル構築の妥当性を検証したい。
さらに、現状使用している伝播経路予測図構築のプログラムパッケージ群(BadTRiPとBEAST2)以外でも、いくつかの伝播経路予測を行う手法が報告されている。これらについても検証に加えることでより信頼性の高い報告が可能になると考えている。
以上の点でやや遅れている、と判断した。

今後の研究の推進方策

既に解析が終了したSARS-CoV-2と薬剤耐性アシネトバクターのアウトブレイク(クラスター)における伝播経路予測及びリスク因子の推定結果については学会報告ないしは論文作成を進める。
引き続き、新規に発生した他の病原体の院内感染事例については伝播経路図の作成を行い、種々の病原体における有効性を確認する。
さらに、現状で用いている推定図作成プログラムパッケージ群以外を使用して、完成した伝播図の比較を行ないたい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A 12-year epidemiological study of Acinetobacter baumannii from blood culture isolates in a single tertiary-care hospital using polymerase chain reaction (PCR)?based open reading frame typing2022

    • 著者名/発表者名
      Fujikura Yuji、Hamamoto Takaaki、Yuki Atsushi、Sampei Ayumi、Ichie Nozomi、Takamizawa Kazuho、Nomura Sakika、Serizawa Yusuke、Ohno Tomohiro、Tsujimoto Hironori
    • 雑誌名

      Antimicrobial Stewardship and Healthcare Epidemiology

      巻: 2 号: 1

    • DOI

      10.1017/ash.2022.279

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Polymorphism-aware phylogenetic modelとベイズ推定を用いた新型コロナウイルス感染伝播経路予測2022

    • 著者名/発表者名
      藤倉雄二、濱本隆明、大野智裕、野村祥加、芹沢悠介、加來浩器、川名明彦
    • 学会等名
      第71回日本感染症学会東日本地方会学術集会・第69回日本化学療法学会東日本支部総会 合同学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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