• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

芳香族炭化水素受容体活性検出法を用いた繊維製品中有害物質スクリーニング法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K17281
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
研究機関神奈川県衛生研究所

研究代表者

西 以和貴  神奈川県衛生研究所, 理化学部, 主任研究員 (80761882)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード芳香族炭化水素受容体 / 繊維製品 / 有害物質 / スクリーニング / AhR / 安全性評価 / 核内受容体 / LC/TOF-MS
研究開始時の研究の概要

近年、機能性を有する繊維製品は増加している。加工に使用される化学物質の種類も増加していると考えられ、その安全性評価の遅れが懸念される。
本研究の目的は、繊維製品中の化学物質の迅速な安全性評価のために、生物学的手法を用いた繊維製品中有害物質のスクリーニング法を確立し、その有用性を示すことである。生物学的手法としては、発がんやアトピー性皮膚炎との関連が報告されている芳香族炭化水素受容体(AhR)活性検出法を検討する。確立した活性検出法で市販製品を調査し、さらに活性の要因となる化学物質の同定を機器分析により行う。
本研究は新たな化学物質安全性評価スキームを提案し、評価の迅速化に貢献すると期待される。

研究実績の概要

AhR活性の検出法として、7-ethoxyresorufin-O-deethylase(EROD)法とルシフェラーゼレポーターアッセイ法の2種を併行して検討した。いずれもヒト肝がん由来細胞であるHepG2細胞を用いた。ルシフェラーゼレポーターアッセイ法については、AhR応答性のルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドを用い、これをHepG2細胞に導入した。導入後の細胞を選別し、当該遺伝子を安定発現する細胞株を樹立した。検討の結果、いずれの方法でも市販繊維製品抽出液のAhR活性を検出できることがわかったが、ルシフェラーゼレポーターアッセイ法の方が簡便なため、以降の検討ではこちらを用いた。
次に、市販の繊維製品を店舗にて購入し、実態調査を行った。試料は細切後抽出し、その抽出液のAhR活性を調べた。その結果、いくつかの製品からAhR活性を検出した。その内一つの製品について、AhR活性の要因となる化学物質の探索を行った。
当該製品の抽出液について、液液分配、固相カートリッジで分画を行い、活性の検出される画分を特定した。さらに、高速液体クロマトグラフィーによる分取を行い、活性の要因と思われるピークを特定した。このピークを高速液体クロマトグラフ/高分解質量分析装置(Orbitrap-LC/MS)で分析し、標準品と比較したところ、活性の要因となる化学物質を同定することが出来た。
さらに、同定した化学物質と同じ用途で用いられる化学物質のAhR活性を調べたところ、そのいくつかからAhR活性が検出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

AhR活性物質を1つ同定できたことから、本研究のアプローチの有効性を確認できた。また、同定した化学物質と同じ用途で用いられる化学物質を調べたところ、いくつかの化学物質でAhR活性が検出された。このことから、本研究のアプローチで1つの化学物質を同定することが出来れば、その結果をさらに展開し、同様の作用を持つ化学物質を複数見つけることが可能であることがわかった。

今後の研究の推進方策

AhR活性が検出された別の製品についても同様のアプローチで原因物質の特定を行う。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 繊維製品に用いられる分散染料によるAhR活性2024

    • 著者名/発表者名
      西以和貴、吉冨太一、河上強志
    • 学会等名
      日本薬学会第144年会(横浜)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 市販繊維製品からのAryl hydrocarbon receptor活性の検出2023

    • 著者名/発表者名
      西以和貴、吉冨太一、河上強志
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会(札幌)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi