研究課題/領域番号 |
21K17282
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 大阪大学 (2023) 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 (2021-2022) |
研究代表者 |
岡田 和真 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任助教(常勤) (50806354)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ライノウイルス / 感冒 / 非呼吸器症状 / 脳炎 / 心筋炎 / 公衆衛生学 |
研究開始時の研究の概要 |
ライノウイルスは一般的な風邪の主要な原因ウイルスである。近年、このライノウイルスが風邪だけでなく、肺炎や喘息の原因にもなることが示されている。さらに、心筋炎や麻痺等の神経症状を呈した患者からライノウイルスが検出された報告も存在する。このように多様な疾患の原因となる可能性を持つライノウイルスが公衆衛生上の課題となってきた一方、その病原性のメカニズムは不明な点が多く、特に呼吸器症状以外の重篤な疾患の発生機序はほとんど明らかとなっていない。そこで本研究では、ライノウイルスが検出され、かつ心筋炎や神経症状を呈した患者由来の検体を活用し、同ウイルスの病原性発現機序の一端の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
ライノウイルスは呼吸器感染症の原因ウイルスである。一方で、数は少ないながらも心筋炎や脳炎といった呼吸器症状以外の重症化[nRTS (non-Respiratory Tract Symptoms)]を示した患者から検出された事例が存在する。本研究では、nRTSを示した患者より検出されたライノウイルスについて遺伝子解析を行った。その結果、nRTS患者のみより検出されたライノウイルスの血清型にA105が存在した。A105が検出された3人の患者は異なる月日および異なる病院に入院しており、特定の血清型がライノウイルスによるnRTS発症に関与する可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的な風邪の原因ウイルスであるライノウイルスが、下気道感染症のみならず、脳炎や心筋炎・心膜炎を呈した重症患者から検出されている。しかし呼吸器症状以外の患者症状に焦点を当てたライノウイルス感染症の研究は非常に限られており、その病原性発現機序はほとんど不明である。そのような背景の中、本研究では非呼吸器症状を示した患者より検出されたライノウイルスの解析を行い、特定の血清型が非呼吸器症状の発現に関与する可能性を示唆した。本研究は未だ不明な点が多く残るライノウイルスの病原性発現機序の解明に貢献するものである。
|