研究課題/領域番号 |
21K17295
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 大阪医科薬科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
鈴木 有佳 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50827269)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 社会疫学 / 育児 / 就業 / 女性の健康 / ジェンダー / 健康 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、妊娠・出産を経ても就業を継続する女性の割合が上昇している。女性が旧来の性別役割である育児に加えて家庭外で働くことは、本人ならびに家族の健康へ影響を与える可能性がある。しかし、日本ではこれまで母親の健康に焦点を当てたデータ収集が十分に行われておらず、育児中の女性の社会的要因と健康についての先行研究は少ない。 そこで本研究は、8,000人の母親を対象とした質問紙調査の実施、および全国調査データの解析を通し、育児中の女性および家族の健康に影響を与える要因ならびにそのメカニズムを明らかにすることを目的として実施する。
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研究成果の概要 |
本研究では、子育て中の地域住民を対象とした質問票調査の実施ならびに国民の代表性がある国民生活基礎調査データの分析を行った。その結果、子育て中の女性の多くが就業している中、家庭内の仕事に関して女性に負担が集中し、睡眠時間が十分にとれていないことが明らかになった。特に就業と家事・育児の高い分担が重複した場合や、社会生活と家庭生活の両立に葛藤を感じた場合に、十分な睡眠がとりづらく、主観的健康も損なわれていることが示された。加えて、就業や就業時間といった働き方は、子育て世帯において、本人だけでなく配偶者の健康にも関連することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本においてこれまでに構築されていなかった、育児中の女性を対象とした疫学データを創出し、本人ならびに家族の健康に影響を与える要因を検討することで、新規性ならびに独自性の高いエビデンスを提供した。 本研究により、共働きが当たり前となった現代社会における、健康面からの子育て世帯支援の方向性が示唆されたことには社会的意義がある。子育て中の女性を対象に、ポピュレーションアプローチとしての健康行動の増進支援、健康・健康行動を保った家庭生活と社会生活の両立支援の必要性が示された。また、子育て世帯を対象に、夫婦の働き方は家族の健康につながる事柄であるという認識に立った支援の重要性が示された。
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