研究課題/領域番号 |
21K17320
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
松岡 貞利 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 上級研究員 (60817617)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 保健人材 / 持続可能な開発目標(SDGs) / 継続研修 / 研修効果 / 効果判定 / 持続可能な開発目標(SDG2) / 研修の効果 / 低・中所得国 |
研究開始時の研究の概要 |
保健人材の能力向上を目的に、世界中で無数の研修が実施されている。特に低・中所得国の保健医療分野では、非常に多くの様々な研修が、国際援助機関の支援のもと実施されている。しかし、これら研修の効果を科学的に検証・評価した研究は見当たらない。 本研究では、低・中所得国において保健人材が研修で得た知識や技術の実践レベル(研修効果)を評価し、実践レベルに影響を与える要因とその背景、さらに要因間の関連性を混合研究法を採用して、量的および質的に明らかにすることを目指す。研修実施組織である国際援助機関や被援助国政府に対する、エビデンスに基づいた具体的改善策を含む提言へと発展させたい。
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研究実績の概要 |
本研究は、低中所得国の保健人材が、卒後の継続研修で学んだことの実践レベルでの効果を評価し、効果に影響を与える要因と要因間の関連性、および要因の背景を明らかにすることを目的にしている。
健康関連の持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、保健人材の適正な人数と質(適正な知識や技術)の担保が不可欠である。保健人材の質の向上には、大学や専門学校等における卒前教育のみならず、卒後の継続教育が必要である。特に低・中所得国の保健医療分野では、非常に多くの様々な継続研修が、世界保健機関(WHO)や日本の国際協力機構(JICA)などの国際援助機関(以下、援助機関)の支援のもと実施されている。しかし、これらの研修は、実施するだけで終わってしまいがちであり、本来重要な研修の効果を科学的に検証したた先行研究は、世界的にも見当たらない。保健人材の質は、特に保健人材自体が非常に少ない低・中所得国においては、国民の健康に大きな影響を及ぼすこともあり、継続研修の効果と、効果に影響を与える要因やその背景を科学的に分析し、エビデンスに基づいた提言を示すことは、世界の人々の健康の実現に大きなインパクトを与えるといえる。
今年度は、調査対象国であるモンゴルおよびラオスにて量的および質的データの収集を終え、分析を開始した。量的分析においてはデータクリーニングが終了し、現在、因子分析法を用いて、研修効果(学んだことの実践レベル)に影響を与える因子を特定段階である。因子特定後に、構造方程式モデリングを用いて要因間の関連性を分析する予定である。質的分析においては、研修効果に影響を与える要因の背景を、社会生態学的モデルを用いて明らかにしようとしている。来年度内に論文執筆を終え、国際誌へ投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、初年度に研修効果を量的に評価することを目的に、対象国(モンゴル・ラオス)におけるデータ収集を予定していた。しかし、新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、対象国への渡航が制限されるようになったこともあり、現地での量的データの収集が現実的ではなかった。また対象国での倫理審査が、想定以上に遅れた。対象国内の研究協力者とは密に連絡を取ったものの、倫理審査担当者が保健省内の行政官であるため、新型コロナ感染症への対応を迫られ、十分な時間を確保できなかったようである。上記の量的データ収集の遅れが、2年度目に予定されていた質的データ収集にも影響を与えた。
実際には2年度目から3年度目にかけて量的データ収集が終了し、3年度目に質的データの収集を終えることができた。現在、【研究実績の概要】に記載の通り、量的・質的データを分析中である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度(最終年度)は、現在進行中の量的および質的データの分析を終え、論文執筆、最終的に国際誌への投稿を予定している。確実に論文発表できるように、研究協力者と定期的に進捗状況を確認しながら作業を進めている。
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