研究課題/領域番号 |
21K17323
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
名取 雄人 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80610104)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | カンナビノイド / メタボロミクス / 神経細胞 / 細胞死 / 薬物中毒 / 心血管障害 / 細胞間相互作用 / 細胞生物学 / 分子生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
危険ドラッグとして流通する薬物の多くはCB1受容体アゴニストであり、様々な構造のものが知られている。これらの乱用による死亡例も報告されているが、その直接の死因は明確ではない。一方で、大麻成分のTHCもCB1受容体アゴニストであり、心血管障害リスクを高める事が知られている。そこで本研究では、CB1受容体アゴニストが循環器に与える影響とそのメカニズムの解明を目的とする。そのために、様々なCB1受容体アゴニストが炎症や代謝、生理活性物質の分泌等に及ぼす作用について培養細胞や動物を用いて調べる。
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研究実績の概要 |
CB1受容体アゴニストには様々な構造のものが知られており、THCや合成品の多くは違法薬物に指定され、乱用による死亡例も報告されている。一方で、生体内にはアナンダミドや2-Arachidonoylglycerol(2-AG) を含むエンドカンナビノイドも存在している。このようなCB1受容体アゴニストは細胞膜上あるいはミトコンドリアに存在する受容体に作用してその機能を発揮する。 メタボロミクスは代謝物の変動を網羅的に分析することで、組織や細胞の生理を解明することが可能となる。本年度は前年度までに確立したメタボローム解析の手法を用いて、エンドカンナビノイドであるアナンダミドや合成カンナビノイドWIN55212-2(WIN)が培養神経細胞であるNeuro2Aの代謝物変動に及ぼす影響を調べた。その結果、113成分の代謝物が定量された。そのうち、ControlにおいてRSD%<25%の代謝物80成分を解析に用いた。この80成分に関して、主成分分析を行った結果、第一主成分軸に沿ってControlとカンナビノイド群で分離しており、第二主成分軸に沿ってアナンダミドとWINが分離していた。多重比較を考慮して、FDR補正を用いて有意差検定を行った結果65成分が有意に変動していた。解析に供した多くの化合物ではControl>アナンダミド>WINであった。これらの結果から、アナンダミドとWINでは神経細胞を及ぼす影響が異なり、この差異が合成カンナビノイドの毒性に寄与することが考えられた。以上の結果から、本方法を用いることで、カンアンビノイドが培養神経細胞の代謝物変動に及ぼす影響を定量的に調べることが可能であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の流行により機材メンテナンスや物流の遅れが生じた。さらに感染防御の観点から、研究室の滞在時間を減らしために実験に費やす時間を十分に確保することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、以下の主に以下の二点について研究を推進する。 1)これまでに構築し検証したメタボローム解析の手法を用いてさらに多くのエンドカンアンビノイド・合成カンナビノイドが神経細胞に及ぼす影響を明らかにする。さらに、プロテオーム分析やトランスクリプトーム分析の手法を確立する。 2)CB1 受容体は中枢神経に多く発現しているが、脂肪細胞や免疫細胞にも発現しておりその細胞の機能に寄与している。そこで、これら化合物がマウス由来の培養前駆脂肪細胞である3T3-L1細胞の分化過程および脂肪細胞の代謝変動に及ぼす影響を調べる。また、RAW264.7マクロファージに及ぼす影響についても同様に解析する。脂肪細胞とマクロファージは相互作用して炎症などに寄与していることから、これらの細胞を共培養系を確立して、カンナビノイドがプロスタグランジンや炎症性サイトカインに及ぼす影響を調べる。
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