研究課題/領域番号 |
21K17335
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
野里 同 岩手医科大学, 看護学部, 准教授 (10807225)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 褥瘡 / 低体温予防 / 深部組織損傷 / 低温熱傷 / 周術期褥瘡 / マイクロクライメイト / 体温上昇 / 基礎研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来の低体温予防の加温を維持しながら、褥瘡発生の予防に有効な加圧部皮膚温の管理方法を新たに検討し、その効果についても検証する。さらに、手術中の褥瘡発生の予防に有効な加圧部皮膚温の管理方法に関する指針を作成し、手術中の体温上昇が関連した褥瘡発生のエビデンス(実証データ)に基づいた予防ケアの確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
<低体温予防で使用される加温装置を用いた際の褥瘡予防に関する基礎研究> これまで実施した研究結果より、低体温予防で加温した際は加圧部皮膚温の上昇を調整することが褥瘡の予防に効果的である知見が得られている。そこで、低体温予防で使用される加温器などで加圧部皮膚温が上昇した際の褥瘡を予防することを目的に、実験動物を用いて加圧部皮膚温が上昇した際の褥瘡予防に関する実証研究を実施した。まずは予備実験として、吸入麻酔下でラットの皮膚を除毛し、除毛後に加圧部皮膚温の上昇を抑制することを目的に皮膚保護剤の貼用を試みた。そして、加圧装置を用いて加温部を圧迫した結果、低体温予防で加温した状態でも加圧部皮膚温の上昇を抑制する知見が得られた。また、皮膚保護剤の貼用部では、褥瘡発生の予防につながる知見も得られた。実験後に皮膚組織を摘出し、組織学的観察を実施したところ、組織傷害も軽減できることが示唆された。これらの予備実験から、低体温予防で加温する際は骨突出部に皮膚保護剤を貼用することで低体温予防を継続しながら褥瘡の発生を予防できる可能性が示唆された。また、これまで摩擦やずれなどの予防で使用されていた皮膚保護剤の一部は、加圧部皮膚温の上昇を抑制する効果があることも示唆された。実験で使用する加温装置が故障したことで本実験に遅れが生じているが、実験を進め、低体温予防で使用される加温装置が関連した褥瘡発生の予防に向けた実証研究を進めていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予備実験までは順調に進み、皮膚保護剤を使用することで低体温予防を継続しながら褥瘡を予防できる知見が得られている。しかし、研究概要に記載したように低体温予防で使用する加温装置の故障により実験スケジュールに遅れが生じた。加温装置の修理は終了し実験を境できており、2024年度に研究結果について報告する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
実験に遅れは生じたものの、加温装置の修理は完了し実験を再会できており、予定通り2024年に研究結果を学術集会等で発表する計画となっている。また、組織学的検討も進め皮膚傷害の予防につながるメカニズムについても明らかにする予定である。
|