研究課題/領域番号 |
21K17346
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 県立広島大学 (2023) 鳥取大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
奥田 玲子 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (40632930)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | リフレクション研修 / 研修評価 / リフレクション能力成長実感 / リフレクション支援 / 対話リフレクション / ALACTモデル / 臨床対応能力 / リフレクション能力 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、看護師の臨床対応能力向上を目指した、対話リフレクションプログラムを構築することを目的とする。本研究では、対話による相互作用性の観点から学習を捉え、ALACTモデルを活用した対話リフレクションプログラムを開発する。さらに、試作版対話リフレクションプログラムを一定期間実施し、継続的な学習によるリフレクション能力の発達評価をもとに、よりよい対話リフレクションプログラムを提示する。 本研究は、看護師が看護実践を主体的かつ継続的にリフレクションできる思考の枠組み、リフレクションを促進する支援システムを構築し、看護職個人の成長のみならず、組織全体の看護の質を高めることに貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究は、看護師の臨床対応能力向上を目指した、対話リフレクションプログラムを構築することを目的とする。本研究の課題は、次の3つである。(1)リフレクションを促進する有用なファシリテーションの特徴を記述し、ALACTモデルを用いた対話リフレクションプログラムを考案する。(2)考案した、試作版対話リフレクションプログラムを実施する。(3)対話リフレクションによるリフレクション能力の発達、その後の看護に対する認識および実践を評価し、よりよい対話リフレクションプログラムを提示する。 令和5年度は、課題(1) ALACTモデルを用いた試作版対話リフレクションプログラムの考案に向け、実用的なリフレクション支援の方法を探るための追加調査として、リフレクションを支援する側と支援を受ける側の双方に半構成的インタビューを実施した。令和3年度リフレクション研修にファシリテーターとして参加した新人看護師教育担当者5名と2年目または3年目研修の受講者4名のテキストデータをもとに、リフレクションを促進する有用なファシリテーションについて質的帰納的に分析中である。また、職場学習の観点からリフレクション支援について示唆を得るため、令和4年度リフレクション研修を受講したキャリア初期看護師を対象に後方視的観察研究を実施し、研修プロセスにおける学びに影響を与える要因と研修効果およびリフレクション能力成長実感の因果関係を明らかにした。その結果、キャリア初期看護師の成長意欲は職場環境によって高められ、上司からの支援が研修での学びの実践を促進することで研修効果を高め、リフレクション能力成長実感に正の影響を与えていることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度は、(1) ALACTモデルを用いた対話リフレクションプログラムを考案する計画であったが、研究目的を精緻に達成するため、リフレクションを促進する有用なファシリテーションについてインタビューによる追加調査の必要性が生じた。インタビュー調査は計画通り実施できたが、令和5年10月、研究代表者の所属機関異動があり、業務多忙のため分析に時間を要し、研究に遅延が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題において構築するプログラムは、看護師が主体的かつ継続的にリフレクションできる思考の枠組み、リフレクションを促進する有用なファシリテーションの方法を提供する予定である。令和6年度は、リフレクションを促進する有用なファシリテーションについて質的帰納的に分析したことをもとに、(1)試作版の対話リフレクションプログラムを考案する。また、(2)試作版対話リフレクションプログラムを実施し、(3)対話リフレクションによるリフレクション能力の発達、その後の看護に対する認識および実践を評価し、プログラムの更なる改善を行う。試作版の対話リフレクションプログラムの実施に向けては、フィールドの見通しは立っており、所属機関の倫理審査承認後に協力依頼の手続きをとり、研究を行うための準備を進める。
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