研究課題/領域番号 |
21K17358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 瀬奈 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60796522)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 乳がん看護 / 経済毒性 / 副作用マネジメント / 外来看護 / がん薬物療法 / 副作用 |
研究開始時の研究の概要 |
転移・再発乳がんは長期予後が見込まれ、その間薬物療法が治療の中心になる。しかし、抗がん薬の多くは高額であり、治療継続に伴う副作用として経済毒性(Financial Toxicity)といわれる問題が生じてきた。がん治療の経済的影響を捉えなおす必要性が生じているが、看護師が転移・再発乳がん患者の経済的問題にどの程度の関心を持ち、ケアをしているのかは明確でない。そこで本研究では看護師が認識している経済毒性に関する看護の役割と看護支援の現状を明らかにし、経済毒性をマネジメントするための看護支援ガイドを考案する。
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研究成果の概要 |
本研究では転移・再発乳がん治療の経済毒性をマネジメントするための看護支援ガイド考案に向けて、看護師を対象とした多施設での質問紙調査を行い、看護師が認識している経済毒性に関する看護の役割と看護実践の現状を明らかにした。経済毒性のマネジメントに関する看護実践は看護師の役割認識の高低により実践頻度や実践内容に特徴があることが見出された一方、実践の阻害要因には共通性があり、最も頻度の高い阻害要因は経済的問題に関連する知識の不足であった。実践で活用できる看護支援ガイドとするには、経済毒性を表す患者・家族の代表的な悩み・不安と関連づけて必要な知識を整理し提供することが重要であると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
経済毒性は経済状況、就労、治療選択・医療ケア計画、社会資源の活用、ライフスタイル、家族の発達課題や将来設計、病状の進行やがん治療による心身への影響など複合的な課題である。しかし、転移・再発乳がんの治療は外来で行われることが一般的であるため、看護師は外来受診のタイミングを逃さず、瞬時に介入の必要性を見定め、意図的に患者に関わり、受診の短時間のうちに介入を実行する必要がある。本ガイドにより多領域にわたるリソースから複合的な課題に対応するための介入の糸口を示すことは、看護師が医療ケアチームの調整役として患者・家族を総合的にナビゲートすることを可能にすると期待される。
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