研究課題/領域番号 |
21K17368
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2022-2023) 兵庫医療大学 (2021) |
研究代表者 |
向畑 毅 兵庫医科大学, 看護学部, 講師 (90784447)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ワークエンゲイジメント / 看護師 / 精神科 / ワーク・エンゲイジメント / 精神科看護 / 情動知能 / メンタルヘルス / 精神科看護師 / ジョブ・クラフティング / 職場環境 / パフォーマンス |
研究開始時の研究の概要 |
現在の精神科看護は、精神障害者の地域移行・定着の推進や看護師不足によるケアの質低下への懸念など、複数の課題に直面している。先行研究は、精神科看護師のワーク・エンゲイジメント(仕事へのポジティブな心理状態)がリカバリー志向(精神障害者は、症状があっても地域で自分らしく生きていける、という考え方)やケアの質を改善することを報告している。一方、職場の資源不足や管理者の疲弊が報告される中、労働者には自分で職場環境を再設計する行動(ジョブ・クラフティング)が求められている。本研究は、精神科看護師のジョブ・クラフティングが、職場環境の改善を媒介として、ワーク・エンゲイジメントを改善するモデルを検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は「精神科看護師の高パフォーマンスを目指したワーク・エンゲイジメント(WE)促進モデルの構築」である。方法は、①精神科看護師のワーク・エンゲージメントに関するスコーピングレビュー作成②アンケート調査によるモデル検証、という2つ方向から実施した。①スコーピングレビューにより精神科看護師のWEの研究状況と関連要因を明らかにした。精神科看護師のWE研究は2013以降に始まり他領域より比較的遅いが近年増加しており注目を浴びている。ほとんどが横断研究で介入研究は少なくエビデンスは低い。対象は入院患者がおおく訪問看護などの地域の精神科看護師は少ない。精神科看護師のWEの影響要因は他領域同様、職場環境、個人要因があるが、精神科では特に患者要因(患者看護師関係)が重要であるにも関わらず見落とされていたことが分かった。この要因を掘り下げることは今後の研究に重要である。Work engagement of psychiatric nurses: a scoping reviewという論文がBMJ Openに受理された。②モデル検証では、全国の精神科病院勤務の看護師606名からのアンケート結果を得ることが出来た。仮説は、精神科看護師の情動知能が職場環境(上司、他職種、患者との関係)の構築を経てWEに至るというものであった。分析は、先述のレビュー結果をもとに微修正した。つまり患者要因(患者との関係)とWEとの関連が明確になるモデルを用いることで、現時点で不足しているエビデンスを提供できることを目的とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響により1~2年遅れている。予定では調査研究の論文出版までを想定していたが、現在の進捗では延長2年目で調査研究の分析までは終える予定であるが、論文の受理に間に合うことは難しい可能性がある。しかし、今年度中に研究の結果を明らかにすることは見通しがついた。
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今後の研究の推進方策 |
2つの目的①レビュー作成②調査研究のうち、①は終了し、②は今年度中に結果を明らかにして、論文出版は可能なところまで実施する。②については、2023年度獲得の科研の若手研究につながるものである。具体的には本研究で精神科看護師のWEモデルを作成し、次の研究でそのモデルを使ってWE向上に役立つ方略を特定していく。当初想定していなかった切り口なども考慮しながら、次の研究にも役立てていく。
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