研究課題/領域番号 |
21K17372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2022) 横浜市立大学 (2021) |
研究代表者 |
菅野 雄介 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 講師 (00813403)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | がん / 緩和ケア / がん遺伝子パネル検査 / がんゲノム / 意思決定 / 看護 / 支持療法 |
研究開始時の研究の概要 |
がんゲノム医療は、遺伝子情報に基づくがんの個別化治療の一つとして、標準治療が終了したがん患者の新たな治療の選択肢となり、患者と家族の最期の希望になっている。しかし、患者の遺伝子情報に適した薬剤が無い場合や病状が悪化し治療を受けられず亡くなる患者もおり、患者と家族(遺族)の精神的苦痛は強く、また、検査から治療までの系統的な支援策は講じられていない。そこで、本研究では、がんゲノム医療を希望する患者と家族を多職種でサポートするために、医療者の支援の現状と患者・家族(遺族)の経験を混合研究法にて明らかにし、実情に沿った支援方法を開発し実施可能性を検討することを目的とした。
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研究実績の概要 |
がんゲノム医療は、遺伝子情報に基づくがんの個別化治療の一つとして、標準治療が終了したがん患者の新たな治療の選択肢となり、患者と家族の最期の希望になっている。しかし、患者の遺伝子情報に適した薬剤が無い場合や病状が悪化し治療を受けられず亡くなる患者もおり、患者と家族(遺族)の精神的苦痛は強い。 本研究の目的は、がんゲノム医療を希望する患者と家族への支援方法を検討することである。具体的には、がんゲノム医療の実態を把握するために、医療を提供する側(医療者)と提供される側(患者、家族または遺族)の経験を混合研究法にて明らかにすること、更に、実態調査にて得られた知見を踏まえ、患者と家族に対し多職種による包括的な支援方法を開発しその実施可能性を検討することである。 今年度は、提供される側(患者、家族または遺族)の経験を明らかにする予定であった。しかし、年度途中による異動が生じたため、研究計画の見直しの他、研究組織の再構成、調査施設の再検討及び調整などを行った。 また、臨床現場の声を直接聞くために第27回日本緩和医療学会学術大会の交流集会にて、「がんゲノム医療を受ける患者・家族に看護ケアを届ける」と題し発表した。 更に、昨年度実施した、「がんゲノム医療を提供する機能を有する医療機関以外の中小規模病院における、がんゲノム医療に対する看護師の認識に関する実態調査」にて、対象者属性との関連を明らかにするため再解析を行った。再解析の結果から、患者と家族が希望した場合に、希望を尊重し、主治医と相談をしながら、適時適切にがんゲノム医療について説明できるように準備をしておく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の目的は、がんゲノム医療を希望する患者と家族への支援方法を検討することである。昨年度は、がんゲノム医療の実態を把握するために、医療を提供する側として看護師調査を行った。今年度は、提供される側(患者、家族または遺族)の経験を明らかにする予定であった。しかし、年度途中による異動が生じたため、研究計画の見直しの他、研究組織の再構成、調査施設の再検討及び調整などを行った。具体的には、協力を予定していた施設との調整が難航したため、新たな調査施設をリクルートし、現在も調整をしている。また、研究組織として、本研究課題を多角的な視点から検討するため、がんゲノム医療に従事する医師とがん看護専門看護師の他、緩和ケアの研究者である腫瘍内科医師、在宅医療に従事する医師などで再構成した。 また、臨床現場の声を直接聞くために第27回日本緩和医療学会学術大会の交流集会にて、「がんゲノム医療を受ける患者・家族に看護ケアを届ける」と題し発表した。参加者からは、がんゲノム医療の現状の他、がんゲノム医療中核拠点病院以外の施設でも、がんゲノムに関し医療者の認識を高める必要があるとのご意見も頂いた。そこで、昨年度実施した、「がんゲノム医療を提供する機能を有する医療機関以外の中小規模病院における、がんゲノム医療に対する看護師の認識に関する実態調査」にて、対象者属性との関連を明らかにするため再解析を行った。その結果、がんゲノム医療に関する認識では、「よく知っている」と「知っている」の合計割合が10.8%(n=531)であり、がん看護や看護師経験年数が高い、緩和ケア病棟勤務歴あり、院外での教育研修の受講歴ありなどで関連がみられた。これらの結果から、患者と家族が希望した場合に、希望を尊重し、主治医と相談をしながら、適時適切にがんゲノム医療について説明できるように準備をしておく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的は、がんゲノム医療を希望する患者と家族への支援方法を検討することである。今年度に実施することが難しかった課題として、提供される側(患者、家族または遺族)の経験を明らかにするための調査である。 次年度では、再構成された研究組織で患者または家族(遺族)の経験を明らかにするために、Clinical Questionを検討し、倫理審査委員会の承認後に調査を実施できるように進めていく。また、調査結果から、昨年度実施した看護師調査の結果も合わせ、がんゲノム医療を希望する患者と家族への支援方法について、プロトタイプを検討する予定である。
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