研究課題/領域番号 |
21K17375
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
森田 公美子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80583880)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 多発性骨髄腫患者 / 外来看護 / 喪失 / 適応 / 多発性骨髄腫 / がん看護 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性骨髄腫患者の骨病変を主とした症状、外来薬物療法の継続や在宅で生活する上での心身の問題、この疾患に罹患しての主観的な喪失とそれに適応する経験を、できるだけ対象者の内面に迫る語りを聴き取り、それをデータとして分析し明らかにする。そしてこの結果に基づき、多発性骨髄腫患者に生じる喪失とそれへの適応に向けての支援として、重要と考えられる外来看護の内容を抽出し、多発性骨髄腫患者に生じる喪失への適応を支援する外来看護モデルを検討する。
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研究実績の概要 |
多発性骨髄腫は、従来の抗がん薬に対する反応は不良で治癒困難な疾患であったが、2000年代以降、分子標的薬などの新薬が次々と登場し、予後は著しく改善した。しかし、患者は、延命はできたとしても、高カルシウム血症・腎不全・骨痛など、本疾患特有の多彩な症状に伴う喪失を体験し、喪失への適応が困難になる状況がある。多発性骨髄腫の治療は薬物療法が主となり、そのほとんどが外来通院で実施可能であることから、多発性骨髄腫患者への看護は、慢性的な経過を辿りながら長期に渡って支援する外来看護の充実、向上が必要である。従って本研究は、多発性骨髄腫患者の喪失への適応を支援する外来看護モデルの構築を目的とした。 本研究の方法は、多発性骨髄腫患者の骨病変を主とした症状、外来薬物療法の継続や在宅で生活する上での心身の問題、この疾患に罹患しての主観的な喪失とそれに適応する経験を当事者よりインタビューにより聴き取り、これをデータとして分析するとしている。研究開始から3年目となる2023年度は、外来薬物療法をうけている多発性骨髄腫患者、新規6名に対しインタビューによるデータ収集を実施した。研究対象者はトータル11名となり、この対象者から得たデータをテーマ分析の手法を参考として分析を行った。多発性骨髄腫患者の喪失は骨病変による骨折により自分が意図する自由な行動が取れなくなったことが基盤にあるものの、そのような状況である自分をリカバーし、病気との共存を模索して行動に移しながら適応していくといった対象者の経験が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の調査対象である多発性骨髄腫患者からのインタビューは、11名が終了しており、本年度はあと数名のインタビューを予定している。対象者11名分のデータは、一旦分析を終えており、研究結果の概観をつかんでいる。今後はデータの追加により、これまでの結果を基としてさらに継続的に比較しながら分析を進め、完了させることとする。そして分析結果から本研究の問いへの解答を導き出す考察、結論等を含めて論文の作成を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
本研究により調査する対象者は、当初は15-20名程度を計画していたが、COVID-19の世界的な流行により研究者と対象者が出会える確率が大幅に低くなっていた状況があったことから、現在この人数を目指すにはさらに時間の延長がいると考えられる。現在の調査済みの対象者は11名であるが、これらの対象者からは詳細なデータが収集できたため、対象者数を計画時より減らすことは本研究の目的を達成する上では大きな問題とならないと判断する。したがって最終年度となる本年度においては、残り数名の対象者にインタビューによるデータ収集を行い、理論的飽和に近い分析結果が得られた場合は、その時点でデータ収集は終了することを予定する。データ収集が完了した後には論文を作成しての研究結果の公表と、外来看護モデル案を構築することを目標として本研究を継続的に取り組んでいくこととする。
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