研究課題/領域番号 |
21K17395
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2023) 筑波大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
金澤 悠喜 慶應義塾大学, 看護医療学部(藤沢), 講師 (80812833)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 夫婦関係 / 育児 / 公正感受性 / 夫婦 / 夫婦間暴力 / 発達障害 / 協働感 / 役割葛藤 / 育児期 / 尺度開発 / 教育プログラム / 衡平理論 |
研究開始時の研究の概要 |
育児環境を改善するための政策は,父親の育児促進や地域包括支援の取り組みなど打ち出されているが,産後うつ病が増加傾向であり,離婚率も減少せず,努力が報われていない。夫婦を取り巻く社会資源の環境を整えるだけでなく,夫婦に直接介入していく必要がある。そこで夫婦の衡平の感じ方に着目し,夫婦を内側から整えていける方法を提案する。夫婦は,子育てに追われ自ら夫婦関係を良好にするために,努力するゆとりがない状態である。従って,乳幼児のいる夫婦に密接に関わる助産師や保健師の医療保健従事者が,夫婦関係の衡平性を短時間で評価できるスキルを身に着け,衡平でないと判断した夫婦に支援できるための教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
2022年度には、子どものいる夫婦の公正感受性は、パートナー(配偶者)からの被害、受益、パートナー(配偶者)への加害に分類できたことを受け、2023年度は、パートナーに対する公正感受性によって、発達障害の程度、育児における協働感、夫婦間の役割葛藤にどのような影響を与えるかを明らかにした。DVに対して、親役割葛藤は影響がないことが明らかとなった。一方で、DVに対して本人に発達障害傾向がない人ほど影響があり、夫婦間で育児の協働感の調整ができている人ほどDVに対する影響があることが示唆された。育児の協働感と加害者公正感受性の交互作用が有意だったことから、一般に、育児の協働感の調整が強いもしくは調整できていると感じているほどDVの程度はひどくなる可能性があり、配偶者に対する加害者公正感受性が弱ければ、その影響を緩和することができると考えられる。本研究の対象者も、育児の協働感の調整が強まるほど、配偶者に対する育児協働のバランスが崩れた場合は、配偶者が当たり前に行っている普段通りの育児を実施しなかった場合に、配偶者に対して自分自身だけが育児を行っていると感じやすく、育児の協働感に配偶者との差を感じてしまう可能性が高く、配偶者に対して加害的な公正感受性が高まりやすくなると言えるだろう。その影響により、DV傾向も強まりやすくなると考えられる。そのため、助産師などの子育て夫婦に関わる医療従事者は、DV傾向が高い夫婦のどちらか片方に出会ったときは、ご本人もしくは配偶者の発達障害の傾向や、育児の協働感に着目すると良い可能性が考えられる。さらに、DV傾向を軽減するためには、加害者公正感受性を強めるような支援があると、育児の協働感のDV増強効果を弱めることができる可能性が示唆された。(概要の一部は、第43回日本看護科学学会学術集会で発表した)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究予定に新たな研究を加える必要が生じたことにより、最終目的到達までに時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
乳幼児を育てる夫婦のパートナーに対する役割公正感の尺度を開発予定である。
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