研究課題/領域番号 |
21K17399
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
遠藤 晋作 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (60750883)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 先天性心疾患 / 病気概念 / 自己概念 / 思春期 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性心疾患をもつ子どもが自分の病気の概念形成のためには、病気の説明を受け、自分の病気を理解することは必要不可欠であり、それは子どもが発達課題である自我同一性を自分の病気を踏まえて確立していくことへ繋がる。しかしその形成過程は明らかにされていない現状がある。 本研究では、先天性心疾患をもつ子どもの病気概念の形成プロセスを明らかにすることを目的とする。調査では先天性心疾患をもつ中学生を対象に半構成的面接を行い、病気概念の形成プロセスについて経過に沿って質問する。面接内容の逐語録を作成し、質的な理論記述を行い、医療者だけでなく母親や家族など子どもの周囲の人が、子どもと関わりを持つ上での指標を得る。
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研究実績の概要 |
令和4年度は本課題へ直結する研究成果として、「先天性心疾患児の社会適応スキルとその関連要因の検討」を学会発表した。この中で学童期を通じて先天性疾患児は社会適応スキルの発達を健常児同様に経ていたこと、その一方で高学年児においては、内服薬や外来通院頻度といった疾患に関連する要因が言語スキルに関連していることが明らかになった。また学会論文として「The association between the social adaptive skills of school-aged children with congenital heart disease and mothers' decision factors for providing disease explanations in Japan: a cross-sectional study」が掲載された。この中では母親が子どもに病気説明を行う際の決定要因は、母親の説明能力、子どもの説明への受容能力、説明に対する子どもの興味とリテラシーであること、言語スキルと社会生活スキルは子どもの説明への受容能力と有意に関連し、言語スキルと日常生活スキルは説明に対する子どもの興味とリテラシーと有意に関連することが示された。これらの成果から、先天性心疾患をもつ子どもの社会適応能力は疾患との関連性を示しつつも維持され、さらに病気概念形成に大きく影響を与える母親からの病気説明に関連することが示唆された。これは今回の研究計画を進行していくにあたり、非常に有効な要素になり得ると考えられる。 また今年度までに行った文献検討から、病気概念形成はその先で子どもの自己概念形成に寄与することが予測できている。さらに思春期から青年期にかけての自己概念形成においては、【家族の中の自己】【社会の中の自己】【病気をもった自己】という3つのテーマを導き出すに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度までの新型コロナウイルス情勢を受け、調査の内容や実施方法にも検討を要していた。文献検討については学会発表の準備および論文投稿の準備を進め、その内容を踏まえた調査計画を現在作成している。当初予定していた中学生への調査からは対象の年齢を引き上げることを検討しているが、その他にも倫理的な配慮を含め、またより意義のあるインタビュー調査が行うことができるように方法を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画を進め、倫理審査と研究協力依頼の手続きを取り、調査を開始していく。また成果として文献検討の学会発表および論文投稿を進め、より研究課題にとって意義のある調査研究とできるように図っていく。また調査依頼先との連携を強化し、より円滑な調査運営に努める。
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