研究課題/領域番号 |
21K17405
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 大阪行岡医療大学 |
研究代表者 |
荒木 智子 大阪行岡医療大学, 医療学部, 助教 (70438109)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 流産 / 死産 / ペリネイタルロス / 体力 / 身体機能 / 回復 / トラウマインフォームドケア / トラウマ / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
流死産後の女性は生児の出産後と同様の身体負担がかかることもあり、さらに喪失に伴うグリーフ(悲嘆)にも見舞われる。その状況では、通常の「産後ケア」を受けることは難しく、回復における心身の連関やリハビリテーションについては未知な点が多い。本研究では、流死産後の女性の体力・身体機能、心理社会的側面について調査測定し、その実態を把握する。その結果をもとに流死産後の心身の回復プログラムを開発・試行し、効果検証をする。流死産後における健康の質の向上を試み、より健やかな回復を目指す。また流死産後の回復・健康支援について啓発に貢献しうる知見の創出を目指すものである。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は流死産後の女性の体力・身体機能や心身の愁訴の実態を明らかにし、心理社会的側面に着目した包括的な回復プログラムを開発することである。研究代表者がこれまで生児出産後の女性を対象に行ってきた体力測定及び質問紙調査を用いた研究で採用している、新体力テスト、ロコモ度テストに加え、心身の愁訴、QOL、心的外傷後成長(以下、PTG)に関する指標について調査を実施する。 本研究の仮説は生児出産後の女性と同様化もしくはそれ以上に産後の体力や身体機能の低下があり、その上に流死産という経験による心的負担が存在する、と考えている。年間多くの流産死産が存在しているが、その後女性はいわゆる産後ケアを受けづらい環境にあると予測され、流死産後の女性の辛さやしんどさを癒し、その後健やかな生活に向けた回復プログラムを開発し、社会実装を試みることが目的である。 本研究の進捗は大幅に遅れていたが、2022年度はすでにピアサポートなどの支援を行っている複数の団体の支援者とディスカッションをし、質問紙調査を実施した。体力測定についても研究参加の意向を確認しているが、研究参加者の居住地が国内に散在しているため、測定場所の検討を行っている。 2022年度に行った質問紙調査では、流死産経験者28名の調査が対象となり、のべ88回の妊娠について解析を行った。愁訴として、気分の落ち込み、慢性的な疲労、肩こりなどがみられた。約4割にうつや不安による診断や治療を受けた警官があった。 現状ではまだ限定的な解析にとどまっているが、学会発表が決定し、2023年度は調査測定の継続の傍ら、論文執筆を進めていく。欧米にある、流死産後の女性に対しての回復に向けたリーフレットを参考に本研究でも啓発のための資料作成も進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初の研究計画から変更を行った。また研究の特性上、研究参加者の心的負担に配慮し、計画を進行させている点からも進捗状況としては「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
質問紙調査の継続に加え、体力・身体機能の測定を開始していく。並行して、2023年度はピアサポートの支援者の協力を得て、ヨガを用いた回復プログラムの試行を行っていく。 合わせて学会発表、論文投稿を通して、成果報告を進めていく。
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