研究課題/領域番号 |
21K17450
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | アール医療専門職大学 (2022) 筑波大学 (2021) |
研究代表者 |
巻 直樹 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90813642)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 肺腺癌悪液質 / 呼吸リハビリテーション / 肺腺癌 / 悪液質 / 抗炎症機構 / レジスタンストレーニング |
研究開始時の研究の概要 |
肺手術モデル肺腺癌悪液質による骨格筋萎縮に対し、運動介入であるレジスタンストレーニングが抗炎症機構に与える影響について明らかにする。本研究では,肺腺癌の悪液質による骨格筋萎縮の機序を捉えることを目的とし、肺手術動物モデルの肺腺癌悪液質による骨格筋萎縮を形態学的、組織化学的に分析する。肺手術モデル動物を用いた基礎研究は極めて少なく、肺腺癌による、がん悪液質の影響に関しては知見に乏しい。今後、実験動物による前臨床試験により評価し、レジスタンストレーニングを肺がん患者に対する治療戦略に繋げる計画である。
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研究実績の概要 |
【背景】肺腺癌悪液質による骨格筋萎縮に対する全身持久力運動介入効果を検証し、運動介入が抗炎症機構に与える影響を検討する。本研究では,小動物の肺腺癌悪液質による骨格筋萎縮の炎症性評価に対し、形態学的手法を用いて解析した。これまでの先行研究のほとんどは大腸がんや乳がんを対象としたものであり、国内のがん死亡で最も頻度の高い肺がんの中で、最多の肺腺癌の抗炎症性機序については不明な点が多く、基礎研究の見解は得られていない。全身持久力トレーニング介入が癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮をどのように抑制するか、その運動効果と抗炎症性評価を行う。【方法】本研究はBALB/cAJcl-nu/nu 系マウス(雄性、9週齢)を実験動物とし、ヒト由来A549 株細胞の経気道的同所移植法による実験的肺腺癌悪液質モデルマウスを作成した。本実験は、コントロール群、非運動肺腺癌悪液質群、運動肺腺癌悪液質群の3群(各群N=6)に分けた。評価項目は体重、骨格筋(ヒラメ筋)筋湿重量、血液検査データ、血清中サイトカイン濃度(TNF-α)とし、運動介入は自発走行運動による持久力トレーニングを実施、介入期間は6週間とした。【結果】ヒト由来A549 株細胞移植に伴う、非運動肺腺癌悪液質群の体重および骨格筋重量はコントロール群と比較して有意に低下した(p=.04、p=.05)。一方で運動肺腺癌悪液質群は非運動肺腺癌悪液質群と比較して有意に骨格筋重量が高値を示し(p=.04)、血清TNF-αは低値を示した(p=.03)。【結語】全身持久力運動介入を実施することで、癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮を抑制し、有酸素運動が骨格筋における量的変化の改善に貢献した可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験結果として、ヒト由来A549 株細胞移植に伴う、非運動肺腺癌悪液質群の体重および骨格筋重量はコントロール群と比較して有意に低下した(p=.04、p=.05)。一方で運動肺腺癌悪液質群は非運動肺腺癌悪液質群と比較して有意に骨格筋重量が高値を示し(p=.04)、血清TNF-αは低値を示した(p=.03)。このことから全身持久力運動介入を実施することで、癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮を抑制し、有酸素運動が骨格筋における量的変化の改善に貢献した可能性が示唆されており、現在、学会報告と論文化に取り組んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
全身持久力運動介入を実施することで、癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮を抑制し、有酸素運動が骨格筋における量的変化の改善に貢献した可能性が示唆されており、現在、学会報告と論文化に取り組んでいる。今後は運動期間や頻度、運動強度について検討し、ヒトにおける呼吸リハビリテーションの一翼として確立を目指したい。
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