研究課題/領域番号 |
21K17452
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 立命館大学 (2022) 電気通信大学 (2021) |
研究代表者 |
高木 領 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構(BKC), 研究員 (00801705)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | カルシウムイオン / タンパク質合成 / アイシング / 骨格筋 / 温度 / 肥大 / 適応 / 骨格筋適応 / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や疾病, 怪我などによる筋萎縮を予防することは社会的課題である. 本研究はその解決策として, 温度に着目した. 骨格筋を10℃以下まで冷却すると, 収縮を伴う細胞内カルシウムイオン濃度上昇が惹起されることが生体外で報告されている. 近年, 細胞内カルシウムイオン濃度上昇はタンパク質合成を促進し, 筋肥大に寄与することが明らかとなった. 申請者はこれまでに, この冷却現象を生体内環境で観察することに成功している. 本計画では, この冷却現象を経皮的な寒冷刺激で惹起できる条件を確立し, 筋タンパク質合成を促進するプロトコルを開発し, 筋萎縮予防や筋肥大促進の効果を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
骨格筋の萎縮は様々な弊害をもたらす要因であり, その予防は社会的課題である. しかし, これまでに十分な解決策は確立していない. 本研究は冷却に着目した新たな筋萎縮予防アプローチの確立を目的としている. これまでに動物実験により冷却による細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を認めている. 細胞内カルシウムイオン濃度上昇はタンパク質合成を活性化させる因子として注目されている. これらより冷却による細胞内カルシウムイオン濃度上昇を活用し, 筋肥大をもたらす可能性を検証している. 2022年度は, 長期の冷却刺激による筋適応を精査した. 経皮的な冷却のみでは骨格筋の十分な細胞内カルシウムイオン濃度上昇を惹起することが困難であるため, 冷却応答を増強させるカフェインを経口摂取するモデルも作製した. カフェインによる冷却応答の増強効果は, 前脛骨筋 (速筋線維を多く含む)と比較してヒラメ筋 (遅筋線維を多く含む)で有意に大きく認めた. 冷却もしくは冷却・カフェイン併用の長期介入後においては, 前脛骨筋で筋線維横断面積が増大し, ヒラメ筋ではカフェイン併用により筋湿重量の増大, 特徴的な筋線維の分裂所見を数多く認めた. 一方で, 冷却による細胞内カルシウムイオン濃度上昇は, 筋分解も亢進させるため, 安全かつ効率的に骨格筋を肥大させる冷却プロトコル (時間・頻度など)の精査が必要である. その中で筋細胞を用いた実験系による検証に着手した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた計画を遂行できているため.
|
今後の研究の推進方策 |
本研究では冷却による骨格筋細胞内のカルシウムイオン濃度上昇応答に着目し, 細胞内カルシウムイオン濃度上昇がタンパク質合成を増強させる因子であることから, 筋肥大をもたらす冷却アプローチを模索している. これまでに冷却による細胞内カルシウムイオン濃度上昇時間がタンパク質分解にも大きく関与することが示されたため, 今後は適切な冷却プロトコルの精査が必要である. その中で, 筋細胞を用いた実験系における冷却時の細胞内カルシウムイオン濃度動態, 細胞応答も調べていく予定である.
|