研究課題/領域番号 |
21K17460
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
入澤 寛 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70467231)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 体組成計 / 脳卒中急性期 / サルコペニア / 高齢者 / 体組成 / 脳卒中 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋の評価方法としては『筋力』、『筋量』を用いることが一般的であったが、近年骨格筋内部の状態を示す『筋質』が注目されている。 筋質は、生体電気インピーダンス法を用いた体組成計による測定が有効であることが明らかになってきた。これまで高齢脳卒中患者の回復期においては筋質は健常人と比較し大きく低下しており、その値はADL回復に強い影響を与えていた。急性期における筋質の低下を防ぐことができれば、回復期におけるADLの回復をよりスムーズに促せると考えられた。本研究では高齢脳卒中患者の急性期における筋質の変化と、その低下に影響を与える因子を解析することで、急性期における筋質低下の予防法を明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究計画書通り、すでに十分な対象症例の計測を終えて、そのデータを整理し、統計解析を行った。 その結果、入院後1週間で筋肉量を示すSMIは4.2%、筋質を示す、Phase Angleは5.9%低下したことが明らかになった。これらの低下を防ぐ因子として、SMIはリハビリテーション治療介入時間(オッズ比2.1)、投与栄養量(オッズ比1.5)Phase Angleは入院時の栄養状態(GNRI;オッズ比1.2)が影響を与えていることが明らかになった。さらに脳卒中重症度は体組成変化に影響を与えていないことが明らかになった。つまり、脳卒中超急性期の入院加療に伴い筋量、筋質の低下がみられるものの、筋量は入院早期からの適切なリハビリテーション治療介入と、栄養投与によって低下を防ぐことができることが明らかになった。また、筋質は入院前からの栄養状態が良好であれば低下を防ぐことができる。このことから病前からの栄養指導と、入院早期からのリハビリテーション治療介入、栄養投与開始が重要であることが明確となった。これらの結果から、高齢者に対する栄養戦略の重要性と、超急性期においてリハビリテーション治療の重要性を再確認することとなった。 以上の結果を第7回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会での一般演題、およびこの結果をもとにした内容で教育講演を行い、これらの知見を広く学会員に公表した。引き続き、海外学術誌に公表するため英文での論文を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目標に掲げていた海外学会での発表が急激な円安や移動費用の高騰化によって実現できていないものの、国内学会での発表、論文作成と順調に進んでいる。 最終的には国際学術誌での論文発表によって世界に結果を公表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在英文での論文作成を進めている。 すでに英文校正を終えており、適切な学術誌の選定と、投稿を行い、本研究の結果を広く公表する予定である。
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