研究課題/領域番号 |
21K17468
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高橋 純平 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (30583968)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | ストレッチング / 圧迫刺激 / 超音波画像診断 / 超音波画像 |
研究開始時の研究の概要 |
体の柔軟性を高めるストレッチングは疼痛改善やけがの予防効果が期待されている。筋をゆっくり伸張した状態を保持するストレッチング方法が一般的だが,その状態から筋を直接押す(指圧などの圧迫)ことで,さらに伸張効果を得ようとする「ダイレクトストレッチング」という方法がある。ダイレクトストレッチングはリハビリテーション分野でよく用いられるにもかかわらず,押すことによる変化,具体的方法の明示,効果検証がなされていない。本研究は一般的なストレッチングに「押す」という単純な刺激を入れただけのダイレクトストレッチングが,より柔軟性を向上させる効果が高いことを示し,効果的な方法の確立を目指す。
|
研究実績の概要 |
2022年度は,超音波画像診断装置を用いて,圧迫刺激を併用したスタティックストレッチング中の筋厚変化についてデータ収集を行った。健常者18名を対象に,下腿三頭筋へのスタティックストレッチング中のヒラメ筋および腓腹筋の筋厚を,複数条件下で測定した。測定条件は,基本条件に加え,圧迫部位2条件(最大膨隆部,腓腹筋腱移行部),圧迫強度2条件(100%,50%)を組み合わせた5条件とした。 測定の結果,ヒラメ筋の筋腱移行部の筋厚について,膨隆部圧迫100%強度条件での筋厚は,筋腱移行部100%圧迫条件と比較し,有意に高値を示したものの,ヒラメ筋の最大膨隆部の筋厚は条件間で有意差は認められなかった。腓腹筋は,基本条件と比較し,膨隆部に圧迫を加えた条件では有意に低値を示していたが,圧迫強度の違いによって差はみられなかった。 このことから,ヒラメ筋は下層にある構造上,圧迫刺激が届きにくく筋厚の変化が小さかったことが一因と考えられるが,筋腱移行部のようにヒラメ筋が比較的表層に位置する場合は,圧迫刺激の影響を受けることがわかった。また,腓腹筋は表層筋であるため,圧迫刺激を直接受けやすい可能性が示唆された。つまり,下腿三頭筋の伸張効果を高める場合には,刺激が届きやすい表層部の筋を中心に圧迫刺激を加えることで,より効果を増加させることができる可能性があると考える。そのため,今後の研究では,その点を踏まえた条件で実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大による2021年度の遅れが,今年の進行状況に影響しており,十分な人数での検討までには至っていない。しかし,進行状況は遅れてはいるものの,今年度の研究では有意義なデータ収集ができたため,研究発表,論文投稿と並行しながら,次段階である,圧迫刺激を加えたストレッチングによる効果判定につなげる準備を進めており,2023年度の研究につなげていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は圧迫刺激を加えた静的ストレッチング,いわゆるダイレクトストレッチングの効果的な方法の確立が最大の目的である。当初は様々な筋での効果検証を行う予定ではあったものの,進行状況の調整と,これまで得られたデータを有効活用するため,特定の筋に絞りながら,適切な条件を検証していけるように進めていく予定である。
|