研究課題/領域番号 |
21K17473
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 陽子 大阪大学, 大学院連合小児発達学研究科, 特任研究員 (60851764)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 聴覚過敏 / 不快音 / 不快閾値 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉スペクトラム症児の多くに聴覚過敏がある。その特徴は、音の大きさに対してだけでなく特定の音を嫌うことにある。本研究は、聴覚過敏を伴う自閉スペクトラム症児の嫌いな音のサンプルを収集し、音の三要素である、音の大きさ(dB)、高さ(Hz)、音色(周波数成分)から嫌いな音の特徴を調べる。また、不快閾値検査により音を不快に感じる不快閾値を評価し、その特徴について検討する。加えて、嫌いな音の特徴と不快閾値の関連について分析する。さらには、不快な音の音圧や周波数を調整した補聴器の使用により聴覚過敏の問題の変化を検証し、有効な支援の確立につなげることを目指す。
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研究実績の概要 |
自閉スペクトラム症児の多くが聴覚過敏を呈する。本研究は、聴覚過敏がある自閉スペクトラム症児が不快と感じる音の特徴と不快閾値の関連について明らかにすることを目的とする。 令和4年度は、大阪大学医学部附属病院小児科発達外来を受診した7歳~18歳の自閉スペクトラム症児26名と、大阪大学大学院連合小児発達学研究科ホームページで公募した定型発達児32名に対して、知能検査(WISC-IV)とSRS-2対人応答尺度を実施して、FSIQを算出し、社会的対人能力を評価した。また、感覚プロファイルとフィッシャーの聴覚情報処理チェックリストで、聴覚過敏と聴こえの困難さの問題の有無を確認した。加えて、純音聴力検査と語音聴力検査で、難聴や語音の聴こえの問題の有無を確認した。さらに、不快閾値検査を実施し、純音および文レベルの不快閾値を測定した。 聴覚過敏の有無については、聴覚過敏を伴う自閉スペクトラム症児が19名、聴覚過敏のない自閉スペクトラム症児が7名であった。定型発達児32名に聴覚過敏および社会的対人能力の問題はなかった。いずれもFISQ84以上で、難聴や語音の聴こえの問題はなかった。 現在、聴覚過敏のない自閉スペクトラム症児のリクルートを進めている。今後は、上記3群における聴覚過敏と不快閾値の関連について解析する予定である。また、嫌いな音のアンケート調査で、聴覚過敏を伴う自閉スペクトラム症児から不快音の情報を収集し、実際の音を騒音計で測定し分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
聴覚過敏のない自閉スペクトラム症児の人数が、当初の計画より集まっていない。 また、新型コロナウイルス感染症の流行で遅延した令和3年度予定(対象者のリクルート、行動学的評価)を含め本年度の研究を実施したため、聴覚過敏を伴う自閉スペクトラム症児を対象とした嫌いな音アンケート調査と嫌いな音の収集について、計画している研究の遂行が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
聴覚過敏のない自閉スペクトラム症児のリクルートを継続しておこなう。 不快閾値の解析に加え、嫌いな音の収集と嫌いな音の解析を実施する予定である。
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