研究課題/領域番号 |
21K17479
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
山口 育子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 准教授 (00645468)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 呼吸筋 / 誤嚥性肺炎 / 口腔機能 / 高齢者 / 呼吸筋トレーニング / 口輪筋 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は誤嚥性肺炎を既往に持つ高齢者に対する呼吸筋トレーニングの実施可能性と誤嚥の予防効果を検証することを目的とする。 そのため、対象の呼吸筋トレーニング実施時の口腔の状態を客観的に評価するとともに、数週間にわたるトレーニングが筋疲労や嚥下への影響をもたらしていないか、介入期間中の有害事象の発生率や実施状況について調査し安全性や確実性について検証する。特に口唇閉鎖機能に着目し、実際のトレーニング中の口唇閉鎖を維持する口輪筋の筋力、筋持久力や舌圧を定量的に評価し、負荷量の適正について見極める。それらを確認したうえで、呼吸筋トレーニングによる口腔・嚥下機能、呼吸機能に対する効果を検証する。
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研究実績の概要 |
誤嚥性肺炎を既往に持つ高齢者に対する呼吸筋トレーニング(RMT)の実施可能性と誤嚥の予防効果を検証することを目的として、研究①:高齢者のRMT実施時の口腔の状態を客観的評価、研究②:RMT介入期間中の有害事象の発生率や重症度、実施状況について調査し安全性や確実性について検証、研究③:①②を踏まえてRMTによる口腔・嚥下機能、呼吸機能に対する効果検証、という流れで計画をしている。 2022年度の研究実績は研究①を遂行した。デイケアに通う地域高齢者を対象に口腔機能、嚥下機能、呼吸機能、呼吸筋力の各種指標を測定し各データの関連性を検証する観察研究を行った。データの収集は継続中であるが、対象の中でも特に、呼吸サルコペニアに該当する高齢者について分析を進めている。また口腔機能が低下した高齢者の口腔・嚥下機能と呼吸機能の関連を明らかにし、呼吸筋トレーニングの際に行う連続の抵抗負荷呼吸を確実に実施できるかを検証するデータの収集を継続している。 今後については、研究②③を遂行していく予定である。誤嚥性肺炎を経験した高齢者に対して呼吸筋トレーニングを行う介入研究を実施する。介入期間中の有害事象の発生率や重症度、プログラムの実施状況について検討する観察研究とする。有害事象はRMT実施中の呼吸困難や不整脈の出現、誤嚥の発生、介入期間中の口腔の異常、食事中の誤嚥などとし、プログラム実施状況の指標には継続率、完遂率、脱落の理由を調査する。そのうえで口腔・呼吸・嚥下機能を指標として誤嚥予防に対する効果を検証する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度に予定していた研究①は、新型コロナウィルスCOVID-19の感染拡大による高齢者施設でのクラスター発生や感染対策のため、施設への訪問や測定がすべて中止されたことにより中断していた。2022年度は秋頃から測定の許可が出る予定となっていたが、高齢者施設に関しては感染対策のレベルは緩和せず、施設入所中の高齢者を対象とした測定は開始できなかった。しかし、対象をデイケアに通う地域在住の軽度要介護者に変更し、呼吸機能と口腔機能、嚥下機能の測定を実施し、現在はそのデータの分析を実施している状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の新型コロナ感染拡大の影響による研究①が中断していたが、2022年度に対象者や測定方法を一部変更し進めることができた。現在、データの分析を行い、順次、学会で口頭発表するとともに、可能ならば論文としてまとめて学術誌に投稿したいと考えている。 2023年度は、COVID-19が5類に移行することで、測定対象施設や対象者を増やしていくことが可能と見込んでいる。測定のための機材をそろえ、測定方法の確認や測定練習などの準備は整い、施設や測定協力者との調整も進めているため、訪問ならびに測定の許可が出ればすぐにデータの収集を行う予定である。条件がそろえば、研究①の結果を踏まえ、研究②③に進めていく予定である。 しかし、2021、2022年度で遅れた経緯もあり、2023年度で研究の完遂は困難と考え、研究期間を延長していくことも検討していく必要があると考えている。
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