研究課題/領域番号 |
21K17483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
長田 悠路 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (40828472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 片麻痺患者 / 転倒 / 運動学 / 運動力学 / 三次元動作解析 / 歩行 |
研究開始時の研究の概要 |
片麻痺患者の転倒に関する先行研究は,転倒リスクを高める因子を明らかにするような内容が多く,ふらつきや高次脳機能障害が影響すると報告されている。しかし,実際にその転倒が何によって生じたのか,どのようにふらついたのかについて分析した研究は少ない。 先行研究は強引に転倒を誘発するものであり,実際に臨床で起きるような転倒とは条件が異なる。本研究では,片麻痺患者が偶然転倒しそうになった動作を直接的に分析するため,転倒の実態に迫った解析が可能である。多くの転倒データを集め,そのパターン別に身体機能や転倒直前に生じる異常な動きを解明することで,片麻痺患者の転倒を予防するための対策を提案できると考える。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,三元動作解析装置による歩行計測中に転倒未遂に至った片麻痺患者歩行を抽出し,その転倒パターン別に転倒のメカニズムを解明することである。片麻痺患者の転倒動作を計測することは倫理的にも物理的にも難しい。片麻痺患者の転倒に関する研究は,転倒のリスク因子を分析ものが一般的で,どのような歩容であると転倒しやすいのか,といった転倒のプロセスに着目した研究は殆どない。しかし,本研究では偶然計測できた転倒動作を後方視的に解析するという手法で,実際の転倒場面の分析を行うことができる。このような偶然得られる転倒データを抽出するためには相当数の歩行データが必要である。令和4年度に引き続き、令和5年度も中伊豆リハビリテーションセンターからのデータを回収することができ,過去11年の間に回復期病棟入院中に三次元動作解析装置(VICON社製)で歩行を計測した歩行2,494人(40,602試行)の中から,転倒未遂を起こした脳卒中片麻痺患者89人(110試行)を抽出するとともに,歩行自立患者20名のデータも抽出して比較検討している。それら解析を進め,転倒しそうになるタイミングと方向に関する論文投稿・学会発表を行った。 現在の解析状況としては,転倒未遂のタイミング別に群分けを行い倒れる方向に傾向があることが分かった。また,前遊脚期に転倒しそうになる患者は全体的な歩行能力が低いこと,遊脚期に転倒しそうになる患者は比較的歩行能力が高いことがわかってきた。これに加えて,歩行自立患者の歩容と比較を行っており,歩行自立者と転倒未遂者を分ける歩行指標や,各転倒パターンを分ける歩行指標を決定木分析を使って抽出している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
解析が順調に進んでおり、予定していた通り、各転倒パターン群の人数が集まりつつある。ただし、2施設のうち1施設からはごく僅かなデータしか得られておらず、来年度は更に多くのデータを収集して最終的な解析を進められることを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度も引き続き各施設における三次元動作解析装置による歩行計測を継続していき,偶然による転倒未遂データの蓄積を行っていく。同時に,令和5年度に取得できた転倒未遂データの解析を進め,学会発表を行う。学会にて専門的な意見を頂いたうえで論文化を行う。 転倒タイミングと歩容の関連が分かってきたため,今年度は決定木分析を用いて更に詳しい解析を進める。
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