研究課題/領域番号 |
21K17484
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
水野 純平 京都大学, 人間・環境学研究科, 特定研究員 (60822286)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 情報支援ロボット / 記憶 / 自伝的記憶 / 福祉機器 |
研究開始時の研究の概要 |
認知症は記憶障害をはじめとする認知機能障害を呈し,徐々に日常生活に困難が生じる疾患である.一方で自伝的記憶といわれる個人に関する長期的な記憶は症状が進行しても残存することが明らかになっており,臨床場面の実践知としても自伝的記憶を賦活し,本人の自立した動作を促す介入方略が用いられている.本研究では,自伝的記憶に相当する個人の生活史に則した声掛け手法を,既存の情報支援ロボットに実装し,ロボットの声掛けによって,中等度認知症者の動作の自立を促すことが可能であるかを明らかにする.
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研究実績の概要 |
高齢人口の増加に伴い、介護・看護を担う人的資源の不足が深刻化する中、このような問題に対し、ICT・IRT技術を活用した高齢者支援への期待が高まっている。しかしながら、現状では支援を必要とする高齢者の認知機能特性と支援機器の適合が十分に検討されていない。そこで本研究では、認知症高齢者の自伝的記憶に着目し、自伝的記憶の情報処理過程について実験室実験によって明らかにすると同時に,得られた基礎的知見を実装した情報支援ロボットを用いて、認知症高齢者を対象に長期間の生活支援を行い、認知機能指標及び行動・音声データを用いて有効性の検証を行う。 実験室実験において、課題遂行時には文脈情報が潜在的に視覚運動処理に影響を与えることが明らかになった。一方、明示的に文脈情報を用いて課題を遂行する場合は、文脈情報以外の要因の影響を受けることが示された。ロボットによる情報支援において、文脈情報は「高齢者の情報取得を促進するか」「情報の正確な想起に資するか」といった支援方法を検討するための基礎的なデータを得た。 独居高齢者に対し、情報支援ロボットによる6か月間の生活支援を行った。ICレコーダによって記録した会話の音声データの解析から、ロボット導入から6か月が経過してもロボットとの会話の頻度が維持されることが明らかになった。独居高齢者の会話頻度の減少は主観的健康観や生活の質の低下につながることから、情報支援ロボットによる支援の有効性が示唆された。
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