研究課題/領域番号 |
21K17495
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 (2023) 埼玉県立大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
高橋 里奈 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (20891253)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 肘関節 / 筋電図 / バイオフィードバック療法 / 関節可動域制限 / ADL能力 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
肘関節周辺術後患者には,関節可動域制限や日常生活動作(ADL)に不自由さが生じる. 筋電図バイオフィードバック(BF)療法は, 筋出力を制御し, 関節可動域練習を円滑にする効果がある. しかし, BF療法の効果判定基準はなく, 終了時期の判断は臨床家の経験則に頼っている. 本研究では, ①表面筋電図を用いてBF療法の効果判定基準を算出し, ②患者にBF療法を行い,ADLの変化を解析して変化量を算出し, BF療法の終了時期を明らかにする. 本研究は, 肘関節術後患者の早期社会復帰とリハ実施期間を最適化し, 患者と医療者双方にとっての利得を目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究では, 肘関節術後患者に対する筋電図バイオフィードバック(BF)療法の効果判定指標を作成し,その妥当性を検証した.BF療法を実施した肘関節術後患者の関節可動域とADLのパラメータ変化を経時的に解析し,臨床的に意義のある変化量を算出してBF療法の終了時期を明らかにすることが目的の一つである. 2021年度は,感染症拡大のため対象を集めての実験が困難であったことから,これまでにBF療法を実施した肘関節術後患者44名の筋電図評価データより,BF療法の効果判定指標として上腕二頭筋の筋活動動態の周波数解析を行った.対象術後患者は,最大等尺性収縮の測定不可のため,最大筋力発揮と仮定した肘関節最大屈曲時の上腕二頭筋最大収縮による中間周波数を測定した.患側上腕二頭筋の中間周波数は,術後8,12週時点において健側と同等に改善していた. 2022年度は, 上腕二頭筋の周波数とADL能力を評価するDisability of Arm, Shoulder, and Hand日本語版(DASH)の得点との関連を解析した.DASH得点が健常データである10点以下獲得群と非獲得群の2群に分け,目的変数をDASH10点以下群「1」,10点以上群「0」,説明変数を中間周波数として二項ロジスティック回帰分析を行った.結果,上腕二頭筋の中間周波数はADL能力獲得の有意な予測因子であることがわかった. 2023年度は,上腕二頭筋の周波数と関節可動域の関連を解析した.術後の肘関節可動域は,屈曲伸展可動域合計100°(arc100°)が目標とされるため,肘関節arc100°獲得群と非獲得群の2群に分け,目的変数をarc100°以下群「1」,arc100°以上群「0」,説明変数を中間周波数として二項ロジスティック回帰分析を行った.結果,上腕二頭筋の中間周波数はarc100°獲得の有意な予測因子であることがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により,対象患者の激減,感染症拡大防止のため,研究活動の制限があったため.
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画では,筋電図による効果判定を行うため独自の判定基準の妥当性検証のため,健常者の筋電図評価データ測定と肘関節運動時のMEPを計測する予定であった.しかし,新型コロナウイルス感染症拡大防止のため,対象者を集めての実験が困難となった.そのため,これまでに肘関節周辺術後のリハビリテーションにおいてBF療法を行った患者の筋電図評価データより,上腕二頭筋の筋活動の活動動態を筋電図による周波数解析により調査し,現在データ抽出,解析が終了している.健側の上腕二頭筋の筋活動の周波数帯域を正常値の範囲として比較し,BF療法の終了時期を決定できることがわかった.現在は,研究結果の論文投稿を進めている.
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