研究課題/領域番号 |
21K17510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
岩波 潤 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (00625931)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 自動車運転 / シミュレーション / 発汗 / 危険認知 / 手掌部発刊反応 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者ドライバーの運転事故が年々増加し社会問題化している。研究代表者は自動車運転認知行動評価装置(特許第5366248号)を用いた模擬運転テストの開発を進めている。 この模擬運転テストでは、操作反応だけでなく手掌部発汗反応と皮膚電位反射を測定することで運転に関わる危険認知能力を評価することができる。 しかし、模擬運転時に生じる情動反応が実車時でも同様に認められるかについては検討されていない。そこで本研究では実車運転と模擬運転における情動反応を比較し、模擬運転テストの信頼性を検証する。信頼性が検証されれば本技術の実用化を促進させ、安全運転に向けた高齢ドライバーの運転技能評価に貢献できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,実車運転と模擬運転における情動反応を比較し,模擬運転テストの信頼性を検証し,危険予測反応が模擬運転テストと実車運転で関連するかを明らかにすることを目的としている. 具体的には,市街地走行時の各種場面(交差点右折,信号停止,歩行者横断,停止車の追い越し,車線変更等)や走行条件の違い(夜間運転等)において,実車運転と模擬運転時にみられるPSRとSPRがどの程度一致するかを明らかにし,場面や条件の違いがPSR,SPRに及ぼす影響を検討する.本研究によって,模擬運転テストの再現性が確認できれば,自動車運転時の危険認知・危険予測を評価する模擬運転テストの信頼性が増すことになり,本装置を使った模擬運転テストの実用化を促進できる.また,模擬運転テストを高齢者の運転技能のスクリーニングや,運転再開を目的としたリハビリテーションに活用することで,事故防止の社 会貢献ができると考える. 2022年度は計測システムを構築するための物品準備や協力関係業者との調整,実車運転時の前方視界を撮影するための予備実験を中心に実施した.特に運転操作反応を実車運転時と模擬運転時で比較するために新システムを開発するため,関係協力業者と協議・打ち合わせを行い,より簡易的な方法を検討し,試作機の作成を業者に依頼した. 今後は実車運転時の前方視界の撮影と同時に手掌部発汗反応を記録するための計測システムを協力関係業者とともに構成し,予備実験を経て,本実験へ移行していく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は予備的な実験を行う予定であったがコロナ感染症拡大に伴い外部業者の入校禁止や三密空間への配慮などの影響により,被験者を使った予備実験を行うことが困難であった. 実験環境自体は整っているため,2023年度に実施していく予定である.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は構築した計測システムを使用し,健常者を対象に実写運転試験を行い,映像と同期したPSR、SPRおよび運転操作反応のデータを収集する。その後、記録した運転映像を用いて模擬運転テストを複数回実施し結果の再現性を確認する(n = 20)。 また,得られたデータを解析し、各種場面や走行条件の違いによって、実車運転と模擬運転時のPSRとSPRがどの程度一致するか確認し、場面や走行条件による応答の差異を検討する。これらの結果をもとに、自動車運転認知行動評価装置による模擬運転テストの信頼性を検討する。
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