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造血能向上を図り慢性腎臓病患者の機能性鉄欠乏の改善に効果的な運動プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K17522
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分59010:リハビリテーション科学関連
研究機関森ノ宮医療大学

研究代表者

辻 義弘  森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (20825484)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワード腎性貧血 / 血液透析患者 / 鉄代謝 / 慢性腎臓病 / 慢性炎症 / 腎臓リハビリテーション
研究開始時の研究の概要

本研究では,「運動療法により慢性腎臓病患者の機能性鉄欠乏を是正させ,身体的な機能改善およびQOLを向上させること」を目的とする.具体的には,慢性腎臓病患者の機能性鉄欠乏を是正する運動プログラムを開発し,心腎貧血症候群の発症軽減と生命予後改善を目指すため,次の3点を明らかにする.第一に,機能性鉄欠乏のある患者の網赤血球ヘモグロビン含量と赤血球恒数を測定し,造血過程における鉄の動態を調べる.第二に,有酸素運動に抗炎症作用が,鉄代謝と貧血改善に与える影響を調べる.第三に,上記の結果から有酸素運動の強度・量と鉄代謝動態の関連性を抽出し,機能性鉄欠乏を改善する最適な運動プログラムを作成する.

研究実績の概要

「2015年版 日本透析医学会 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」では,目標ヘモグロビン値は10g/dL以上 12g/dL未満が推奨されている.一方で,ヘモグロビン値が10-12g/dLに維持されている患者であっても,ヘモグロビン値を赤血球数と平均赤血球ヘモグロビン量に分けるとそれらの値は幅広く分布している.2023年度においては,これまでの取組みで得られた検討結果と知見に基づき,慢性維持血液透析患者の血液検査データから鉄代謝関連の項目について赤血球数と平均赤血球ヘモグロビン量の分布の違いが生命予後に与える影響について検討した.平均赤血球ヘモグロビン量が30pg未満で赤血球数が350万/μLを超える患者では,平均赤血球ヘモグロビン量が30pg以上で赤血球数が350万/μL以下の患者と比較して,長期的な死亡リスクが高い結果を得た.平均赤血球ヘモグロビン量が30pg未満で赤血球数が350万/μLを超える患者では,機能性鉄欠乏を有している患者の割合が高く,血液透析患者の生命予後を改善させるには機能性鉄欠乏を是正させる必要があることが示唆された.血液透析患者では,血中炎症性サイトカイン濃度が上昇し,慢性炎症の状態にあると報告されている.慢性炎症下では赤血球寿命の短縮,骨髄での赤血球産生能の低下の他にも鉄代謝異常に由来する貧血の存在が知られており,鉄調節因子であるヘプシジン等の炎症性サイトカインによって細胞内から細胞外への鉄の汲みだしを阻害すると考えられている.また,運動療法の効果の一つとして抗炎症作用が報告されているが,運動強度や種類の違いによる抗炎症作用が慢性腎臓病の鉄代謝に与える影響とその機序はまだ詳しく知られていない.今後は,造血過程における鉄の動態を調べ,鉄代謝と抗炎症作用があると報告されている運動効果の相互影響性を調査する予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症のため,研究協力病院への訪問ができず研究計画に遅れが生じている状況が続いているが,研究計画・方法に沿って,次の段階へ研究を進める予定である.問題が生じた場合は,状況に応じて方法論を変更する.

今後の研究の推進方策

これまでは新型コロナウイルス感染症の影響で遅れが生じていたが,日常の生活を取り戻しつつある中で2024年度以降は当初の計画通りに研究が進められそうである.

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 血液透析を受けている患者の運動習慣および精神症状と鉄利用効率との関連2023

    • 著者名/発表者名
      岩部穂佳,柳祐翔,濱洲智朗,伊藤 匠,荒木陽孝,井上竜汰,人見泰正,佐久間俊,辻義弘
    • 学会等名
      第33回日本臨床工学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 血液透析患者における抑うつ症状と鉄管理および運動量との関連2022

    • 著者名/発表者名
      濱洲智朗,伊藤匠,遠入南菜花,佐久間俊,人見泰正,水野(松本)由子,辻 義弘
    • 学会等名
      第33回日本サイコネフロロジー学会学術集会・総会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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