研究課題/領域番号 |
21K17533
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
峯玉 賢和 和歌山県立医科大学, その他部局等, 医療技師 副主査 (10868756)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
|
キーワード | 椎体骨折 / 運動療法 / 椎体形成術 / 骨粗鬆症 / 理学療法 / 後弯変形 / 続発骨折 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症性椎体骨折は、脊柱後弯変形や脆弱性骨折の連鎖を引き起こし、高齢者の生活の質を低下させ、要介護や死亡のリスクを高める。椎体形成術の早期適応により入院期間の短縮が可能となったが、椎体の続発性骨折を防ぐまでには至っていない。背筋の筋力増強は後弯変形や続発性骨折を予防するが、転倒予防に効果的なバランス運動や有酸素運動を組み入れた複合運動や運動と認知課題を同時に行うDual-Task運動の有効性については検証されていない。本研究では、椎体形成術後患者に対する複合運動ならびにDual-task複合運動の有効性を検証し、椎体形成術後の続発性骨折と後弯変形を予防する効果的な運動療法を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、椎体形成術後の続発性骨折と後弯変形を予防する効果的な運動療法を明らかにすることを目的としている。計画では、①背筋筋力増強に有酸素運動とバランス練習を加えた複合運動は椎体形成術後の続発性骨折と後弯変形の予防に対して有効か、②運動と認知課題を同時に行うDual-task運動を行うことで複合運動の効果をさらに向上させることができるかを検証することから構成されている。 初年度より①の検証を実施しており、当院と共同研究施設で椎体形成術を行い、6か月以上の追跡調査が完了した症例を対象に中間解析を行った。外来リハビリテーション継続群50例、継続なし群80例が包括された。術前の胸椎後弯角が継続なし群で大きかったが、その他の術前の項目に2群間で有意差はなかった。主要アウトカムである椎体の続発骨折の有無に関しては、継続群で有意に少なかった。後弯変形の進行に関しては、最終追跡調査時において有意差はなかったが、継続群は継続なし群に比べ、運動機能が改善し、ADL、QOLの改善が早かった。したがって、背筋筋力増強に有酸素運動とバランス練習を加えた複合運動は、椎体形成術後の続発骨折を予防し、治療成績を向上させることを示唆した。後弯変形の予防に関しては、外来リハビリテーションの有無で有意差はなかったが、リハビリテーション継続群では体幹伸展筋力、握力、歩行機能の改善がみられたため、1年まで追跡期間を延ばせば、後弯変形予防の効果が明らかとなる可能性がある。最終追跡調査は1年を予定しているため、引き続き、追跡調査を行い解析を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当院がCOVID-19受入施設になり、整形外科病床の縮小や手術の中止が度重なり、当初予定していた症例数が集まらなかった。COVID-19が5類に引き下げられたものの、整形入院患者数が、コロナ前の状況に戻るには時間を要することが予測される。残りの研究期間を考慮すると、当初予定していた②運動と認知課題を同時に行うDual-task運動を行うことで複合運動の効果をさらに向上させることができるかの検証は難しい。
|
今後の研究の推進方策 |
①背筋筋力増強に有酸素運動とバランス練習を加えた複合運動は椎体形成術後の続発性骨折と後弯変形の予防に対して有効かどうかの検証について、最終追跡期間である術後1年までの調査を継続する。症例数が予定していたより少なく研究が遅れているため、②Dual-task運動の検証は難しくなってきた。そのため、①の症例をさらに増やし、より精度の高い解析で複合運動の有効性を詳細に検証することを計画している。
|