研究課題/領域番号 |
21K17554
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2022) 早稲田大学 (2021) |
研究代表者 |
丸井 朱里 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 特任助教 (50824554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 深部体温 / 臍部温度 / 熱中症 / ウェアラブルデバイス / 体温測定 |
研究開始時の研究の概要 |
熱中症の予防には、深部体温の常時計測により、深部体温の上昇を検知する必要がある。深部体温の計測部位として、直腸と食道があるが、侵襲性が問題である。深部体温の連続計測には、耳装着型の鼓膜温度計や、飲み込み型の体温計も見られるが、センサ周囲環境による測定値の精度低下が問題である。 新しい深部体温測定部位として臍部に着目した。臍部は、周囲に大きな神経や骨がないため侵襲性が低く、体液を分泌しないため周囲環境の影響が少ないと考えられる。安静時、運動時、体型差を考慮した際の臍部温度と、直腸温度とを比較することで、将来的に、熱中症予防に向けた新たな深部体温計測部位を確立することを目指す。
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研究実績の概要 |
熱中症の予防には、深部体温の常時計測により、深部体温のモニタリングを行う必要がある。モニタリングにおいては、健康時の安静状態での体温(平熱)の測定と、暑熱下活動時における体温の測定が求められ、その差分をリアルタイムで測定することが熱中症発症予防の検知に役立てられると考えられている。 代表的な深部体温の計測部位として直腸があるが、侵襲性や違和感が問題となっており、暑熱環境下での労働・運動時には広く用いられていない。直腸以外の深部体温の連続計測方法として、耳装着型の鼓膜温度計や、飲み込み型の体温計も見られるが、センサ周囲環境による測定値の精度低下が問題となっている。また、労働・運動時に耳を塞ぐことによる聴力の低下も懸念される。 代表者は、新しい深部体温測定部位として臍部に着目した。臍部は、周囲に大きな神経や骨がないため侵襲性が低く、体液を分泌しないため周囲環境の影響が少ないと考えられる。安静時、運動時、体型差を考慮した際の臍部温度と、直腸温度とを比較することで、将来的に、熱中症予防に向けた新たな深部体温計測部位を確立することを目指す。 当初の予定では、主に男性被験者を対象として、環境温度をコントロール可能な実験室にて行う予定であったが、COVID-19の影響により被験者の自宅でも実施可能な計画に変更して実施した。昨年度は、安静状態の臍部温度について検証することを目的として実験を実施した。女性被験者を対象に、約1ヶ月間、毎朝起床時に舌下温度と臍部温度を測定した。舌下温度と臍部温度の相関を分析したところ、有意な正の相関が認められた。また、女性においては女性ホルモンの影響により、起床時の舌下体温が低温期と高温期の2相性を示すが、臍部温度も舌下温度と同様に2相性の温度変化を示すことが明らかとなった。本年度では、活動中の臍部温度測定のための機器選定等を行い、実験を行う体制構築を主に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、活動中の測定を環境温度コントロール可能な実験室で実施する予定であったが、コロナウイルス感染症の状況にて、閉鎖空間での測定が難しく、実験室外(屋外)でも実施できるよう構築を整えることになった。
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今後の研究の推進方策 |
実験室外における運動中のデータ取得を行う実験を実施し、体型差を考慮したデータ取得も合わせて行うよう計画を立てる。COVID-19における感染対策等の観点で、臍部温度と比較するための深部体温の測定箇所を直腸ではなく、より侵襲性が低く体液が付きにくい耳内での体温計測とする方向で計画を変更することを検討している。
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