研究課題/領域番号 |
21K17555
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
伊藤 咲子 (大西咲子 / 大西 咲子 / 伊藤咲子) 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (60882785)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
|
キーワード | 神経・筋協調性 / silent period / ジャンプ動作 / スポーツ障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,健常人および膝前十字靱帯(ACL)損傷後患者において,疲労負荷前後の予測性制御を含む神経・筋機能の変化を,表面筋電図上において,急速な反応動作に先行して観察される筋放電休止期(Silent period)という指標を用いて評価する.特に,上位中枢での予測性制御機能の指標には主動作筋と拮抗筋の切り替えの良さを反映するswitching silent period(SSP)を用い,従来から用いられる筋反応時間Pre-motion time(PMT)も併せて指標として疲労負荷前後の神経・筋協調性機能の経時的変化を調査する.更に,神経・筋協調性を効果的に高める予防プログラムについても検討・開発を行う.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、前十字靭帯(ACL)損傷の予防に効果的なプログラムの開発であり、特に、神経・筋協調性を効果的に高めるプログラムの開発を目標としている。2022年度までは、その基礎研究の段階として、スポーツ障害が発生しやすいとされている疲労時に、具体的に下肢・体幹のどの筋が疲労の影響を受け、神経・筋協調性がどのように変化するのかを健常者において調査することを第一段階の研究とした。2023年度は、ACL損傷後の反応ジャンプ動作における神経・筋協調性をsilent periodを指標として調査した。10名程度の被験者を測定し、そのうち7名程度のデータが得られた。先行研究では、ACL再建術後症例では、術後1年を経過しても左右差が残存しているが、保存的治療後では、術後4ヶ月程度で神経・筋協調性が健・患側で左右差が消失しているという結果が得られた。しかし、ACL損傷後の保存的治療例は、数が少なく、近年、海外では報告が散見されるものの、国内の報告はほとんど見られない。保存症例については、今後も継続的にデータを収集しつつ、今後は、ジャンプ着地動作について、ACL損傷の既往のある学生、ACL再建術後の被験者についてのデータを測定し、ジャンプ着地や反応ジャンプ時における下肢・体幹筋の神経・筋協調性が、健常者と比較してどのように違うのかを検討していく。それを踏まえて、神経・筋協調性を効果的に高めるトレーニングについての検討を行っていく予定である。2024年4月に、本研究責任者である伊藤(大西)が投稿した、「膝前十字靱帯損傷に対する 保存療法例における silent period を用いた健側および患側の神経・筋協調性の比較」の論文 が、日本臨床スポーツ医学学会誌 vol.32 No.2 .2024(査読付き) にて掲載済みである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究が遅延した理由としては、まず、三次元動作解析装置VICONのカメラの老朽化による不具合などで、なかなか予備実験および本実験でのデータ測定に想定よりも時間がかかったこと、ACL損傷症例がなかなか集まらなかったことや、健常人について、本実験にて30名程度測定したものの、実際にデータ解析が可能なものが22名程度にとどまったことが挙げられる。健常人データについては、現在解析中である。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ジャンプ着地やカッティング動作時の下肢・体幹筋活動およびアライメントについてや、反応ジャンプ時のsilent periodについて、健常人・ACL再建症例ともに、被験者を更に増やして、これらの動作時の筋活動・アライメントについて調査し、両者の比較検討を行う。 更に、それらの基礎研究をもとに、神経・筋協調性を効果的に高めるためのトレーニングの開発に取り組む予定である。
|