研究課題/領域番号 |
21K17569
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 (2022) 鹿屋体育大学 (2021) |
研究代表者 |
亀井 誠生 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (20838825)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | post-error slowing / post-error accuracy / error related negativity / RSI / theory of intelligence / error-related negativity / 反応刺激間間隔 / 能力観 / パーソナリティ / 内省 / 脳波 / 自己調整 / 内受容感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
教育やスポーツ現場では,主体的に学ぶ行動の育成が求められている.「自己調整行動」には,自ら間違いに「気づき」行動を正すための「内省」が欠かせない.近年「気づき」を高める外的要因が解明されつつある一方で,「気づき」を高めても「自己調整行動」が促されない問題も報告されている. これは,「内省(間違いを正すための意欲)」について考慮されていないことが原因と考えられる.
本研究では,身体内部に向いた注意に関わる脳活動(HEP)を定量することで,① 「内省」の程度を定量評価する方法の確立,②「内省」の程度を変調する外的要因の同定,③「内省」の程度が自己調整行動に及ぼす影響を検証することを目的とする.
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研究実績の概要 |
学校教育/スポーツ指導の在り方は、指導者が「教える」時代から学習者が「学ぶ」時代に移行している。自立した主体的な学びには、学習者が自ら間違い(失敗)に「気づき」「評価」し正しい行動に調整する行為(自己調整行動)が必須である。これまでに失敗の 「気づき」や「評価」に関わる脳神経活動やその程度を調整する学習者の心理的要因(パーソナリティ)が明らかにされてきている。一方で、その心理的要因が行動調整を引き起こすメカニズムについて明らかではない。特に、脳波(ERP)を測度とする神経科学的知見と行動(RT、ACC)を測度とする自己調整行動(反応時間の延長、連続した失敗の回避)の関連について明示する論文は限られている。 本研究では、頑健に観察される成功や失敗に伴う調整行動(失敗直後のRTの延長、ACCの改善)に、学習者の心理的要因(能力は努力や経験的によって伸ばすことが出来るとする信念の強さ)が及ぼす影響について明らかにした。具体的には、①昨年度作成した反応刺激間間隔(RSI)を操作した失敗を起点とする調整行動が生じる認知課題を使い、RSI = 1000 msの場合には信念の強さは適切な自己調整行動(連続した失敗の回避)を招くことを明らかにした。一方で、RSI = 200の場合には、自己調整行動は示されなかった。②さらに、信念の強さは、失敗を生じさせた要因と相乗的に自己調整行動を促進させていることが明らかになった。具体的には、意思決定について反芻するのではなく、実際の運動動作について反芻することが有効な自己調整行動に紐づいていた。 これらは、失敗の 「気づき」を高める要因として罰やプレッシャー、ストレスを挙げる神経科学的知見に対し、学習者にどのように失敗と向き合うべきなのか行動学的根拠に基づき示すことができる重要な知見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の理由の為、進捗状況は(3)やや遅れていると評価した. ①研究成果の公表を年度内に行う予定であったが、申請者の転職に伴い職務内容、研究設備について大きく変更があったため分析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
実施期間の最終年度として研究成果の公表(論文投稿)に向けて、引き続きデータ分析を進める。また、本研究で新たに作成し利用しているたオリジナルの心理尺度の基準関連妥当性について、webアンケート調査を実施し確認する。
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