研究課題/領域番号 |
21K17580
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
藤平 杏子 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, JSPS特別研究員 (50884235)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 食品温度 / 膝伸展筋力 / 筋量 / 運動 / 胃排出 / 飲料温度 / 飲料摂取 / 消化吸収 / スポーツ栄養 / アスリート / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
運動パフォーマンスをはじめとする身体機能の回復には、運動後の速やかな栄養補給による筋グリコーゲンや筋タンパクの回復が必須であり、スポーツ栄養学において、運動後の速やかな栄養摂取方法の構築がますます重要な課題となっている。現在までに、運動後に栄養摂取を行うタイミングや組成については検討が進められているが、栄養吸収に適した温度については明らかでない。 本研究は消化吸収の観点から、運動後における栄養摂取の温度が身体に及ぼす影響を明らかにし、若年期における運動後の身体回復から、高齢期におけるサルコペニアの予防までを見据えた、栄養摂取方法を立案することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では若年のアスリートや高齢者の「からだづくり」のために、より効率的な、運動後の栄養摂取方法の立案を目指している。初年度は運動習慣のある若年健常男性を対象に、一過性の運動後に摂取する糖タンパク質飲料の温度が消化速度および胃不快感に及ぼす影響を検討した。その結果、間欠性運動後に4℃の糖タンパク質含有飲料を摂取した場合と比較して、60℃の飲料を摂取した場合では、初期の胃排出速度が速まることが明らかになった。さらに、60℃の飲料を摂取した場合に胃の不快感が低値を示した。研究の結果から、運動後の温かい糖タンパク質含有飲料の摂取は初期の胃排出を速め、胃の不快感を低減させることを明らかにした。研究結果を踏まえ、本年度は継続的な温かいタンパク質含有飲料の摂取が筋量および筋力パフォーマンスに及ぼす影響を検証した。本研究から、4週間のタンパク質飲料摂取と筋力トレーニングの組み合わせにより、温かい飲料を摂取した群は冷たい温度で摂取した群に比べて膝伸展筋力が有意に増加した。下肢筋量は、タンパク質飲料の摂取温度に関わらず、介入後に有意に増加した。したがって、下肢筋力の向上においては60℃の温かいタンパク質飲料の継続的摂取が効果的である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は継続的な温かいタンパク質含有飲料の摂取が筋量および筋力パフォーマンスに及ぼす影響を検証するために、4週間の並行群間試験を実施した。対象者は運動習慣のない健常成人とし、4週間にわたり温かいタンパク質含有飲料を摂取する群、冷たいタンパク質含有飲料を摂取する群に振り分けた。飲料摂取は1日1回とし、両群ともに週3回のっ下肢筋力トレーニングを実施した。本研究から、温かいタンパク質飲料摂取を摂取した群は冷たい温度で摂取した群に比べて膝伸展筋力が有意に増加した。下肢筋量は、タンパク質飲料の摂取温度に関わらず、介入後に有意に増加した。本研究の結果は国内学会において発表予定であり、現在、論文投稿の準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の研究では、現在までに得られた結果を高齢者の筋力低下予防への応用を予定している。
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