研究課題/領域番号 |
21K17589
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中田 智史 順天堂大学, 大学院スポーツ健康科学研究科, 特任助教 (20778881)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 骨格筋 / 細胞損傷 / 筋損傷 / バイオマーカー / 筋疾患 / 細胞モデル / 筋肥大 |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋量を高めるレジスタンストレーニング(筋力トレーニング)において、短縮性収縮よりも伸張性収縮のほうが筋肥大の効果が高いことがわかっている。一方でスポーツ動作において、急速な伸張性収縮が筋損傷を頻繁に誘発することが知られている。このことから、骨格筋には肥大シグナルが損傷という相反する応答にスイッチする“伸張性収縮速度のセットポイント”が存在すると想定されるが未だ明らかになっていない。そこで本研究では、伸張性収縮速度のセットポイントを実証できる新規細胞培養手法を構築し筋の最大肥大効果を探る。さらに筋損傷高リスク者由来の細胞に関しても検証し、筋質の差によるセットポイントの差異についても検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では筋疾患患者iPS細胞から誘導した筋管細胞を用いて力学的ストレス負荷モデルを構築し、細胞損傷を評価した。伸展刺激24時間後の培養上清中に漏出する筋逸脱酵素の活性は疾患株で修復株に比べて有意に高い値を示した。また、培養上清中に漏出するmiRNAは疾患株で伸展刺激により増加した。伸展刺激24時間後のサルコメア損傷修復遺伝子の発現量は疾患株で修復株に比べて有意に高い値を示した。このことから、疾患株では伸展刺激により筋逸脱酵素とmiRNAの漏出がより起きやすく、サルコメア損傷がより強く発生していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、iPS細胞から分化した筋管細胞を用いた新たな細胞培養系を構築し、機械的伸展刺激装置によるメカニカルストレスを負荷する実験系を構築した。 このモデルから得られた知見により、筋細胞が損傷をした際のバイオマーカーとなりうる因子が見つかったことから、細胞培養系だけにとどまらず、アスリートを含めたヒトを対象とする筋損傷発生のリスク予測研究に応用することができると考えられる。
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