研究課題/領域番号 |
21K17601
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 早稲田大学 (2022-2023) 筑波大学 (2021) |
研究代表者 |
片岡 由布子 早稲田大学, 人間科学学術院, その他(招聘研究員) (10896244)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | TRPA1 channel / forearm blood flow / sweat rate / NOS / Cinnamaldehyde / Forearm blood flow / TRP イオンチャネル / TRPA1チャネル / 皮膚血管拡張 / 体温調節能 / 発汗機能 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化の中、熱中症対策は重要である。申請者はこれまでヒトを対象とし運動直後の糖質・たんぱく質摂取による血液量増加が体温調節能を改善する事を報告した。しかしこの体温調節能の1つ、皮膚血管拡張の改善時の末梢のメカニズムは不明である。そこで本研究では生体刺激を感受するセンサーの1つ、TRPA1チャネルと、皮膚血管拡張物質と考えられるNO合成酵素のNOSに着目し、①TRPA1チャネルを薬理的に刺激した時の皮膚血管拡張メカニズム、②暑熱下運動時の皮膚血管拡張におけるTRPA1チャネルとNOSの役割、③暑熱下運動時、血液量増加による皮膚血管拡張増大へのTRPA1チャネルとNOSの寄与を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究は、ヒトにおいて、TRPA1チャネル活性が皮膚血管拡張反応を引き起こす場合、これには一酸化窒素(NO)合成酵素であるNOSが関与しているかを明らかに することを目的とする。 ヒトにおいて、TRPチャネルの一つ、TRPA1チャネルを活性するシナモンの匂い成分のシンナムアルデヒドを皮内透析法によりヒトの皮下に局所投与した。そし てTRPA1チャネル活性化による、皮膚での血管拡張にNOSは寄与する一方、COX、KCaチャネルはほとんど寄与しないという結果を得た。 また、実験中の皮膚温度に関して、本研究では実験を通して33度に皮膚を局所加温している。TRPA1は高い温度で不活性化するという報告もあるが、本実験では不活性化せず、TRPA1活性剤の刺激に反応して血管拡張した。本研究では他の温度、例えば25℃や40℃などに温度設定した場合の、TRPA1活性剤に対する血管反応を見ていないので比較はできないが、少なくとも33℃という温度はTRPA1の働きを阻害しなかった。また、マウスを用いた研究での、TRPA1チャネル活性による皮膚血管拡張にNOSが関与した(Aubdool etal., 2016)、という結果と照らし合わせ、本研究のヒトでのTRPA1チャネル活性による血管拡張は、感覚神経上のTRPA1チャネルが活性化することによって引き起こされている可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
TRPA1活性剤であるシンナムアルデヒドを使い、ヒトを対象として、まず常温環境下でのTRPA1活性に伴う血管拡張にNOSが関与することを明らかにした。この皮膚血管拡張は感覚神経上のTRPA1が関与している可能性が考えられ、常温環境下でのTRPA1による血管拡張の可能性についても広く検討するため、実験準備中であったが、本年度は、プライベートな理由により長期間休みを取ったため、計画通りに実験をすることが難しかった。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は今年度の計画を踏まえ、研究を遂行する予定である。
|