研究課題/領域番号 |
21K17602
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
田鹿 毅 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (30571567)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 内側野球肘 / 肘関節内側側副靭帯 / 高校野球投手 / 前腕屈筋 / 筋弾性 |
研究開始時の研究の概要 |
高校野球投手を対象に①前腕屈筋群・円回内筋の弾性度(硬さ)と肘関節内側側副靭帯の弛緩の程度(不安定性)を測定し、これらの関係性を明らかにする。また②前腕屈筋群・円回内筋の弾性度が内側野球肘(内側側副靭帯損傷・肘関節内側部痛)発症の危険因子となるか前方視的に検討する。計画している研究項目は以下の3項目である。1:前腕屈筋群・円回内筋の弾性度と内側側副靭帯の弛緩の程度に横断的に関連があるか?を調査する。2:過去、現在の投球側肘関節内側部痛の有無と前腕屈筋群・円回内筋の弾性度に関連があるか?を調査する。3:前腕屈筋群・円回内筋群の弾性度は内側野球肘の危険因子となりうるか?を調査する。
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研究実績の概要 |
投球動作に関連する肘関節障害の一つである、内側野球肘(肘関節内側側副靭帯損傷)の発症には、投球時の肘関節外反ストレスが関与し、その抑制には前腕屈筋群・円回内筋が作用すると報告されている。筋肉の質的評価の指標として、筋肉の疲労度を反映する筋弾性度が報告されている。野球投手において前腕屈筋群・円回内筋の筋弾性度が肘関節内側側副靭帯の弛緩性(不安定性)におよぼす影響について調べた研究はこれまでになく、これらの関連は不明である。本研究では、高校野球選手を対象に超音波share wave elastgraphyを用いて前腕屈筋群・円回内筋の弾性度と内側側副靭帯の弛緩性を測定し、これらの関係性を明らかにするとともに、内側野球肘を予防するための新たな評価法の確立を目指す。 令和3年度は群馬県まん延防止等重点措置にのため、群馬県高校野球投手メディカルチェックも部活動の一環と判断に至り、令和3年度の研究は行うことができなかった。 令和4年度は群馬県高校野球投手メディカルチェックを2023年1月15日、1月29日、2月12日に行った。本研究の評価項目である、投手の投球側肘関節症状の有無、超音波による肘関節内側側副靭帯の弛緩性評価、超音波エラストグラフィーによる前腕屈筋群(円回内筋、橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、前腕屈筋起始部)の弾性評価(近各筋内における剪断波(shear wave)の速度(shear speed)測定)を行った。 令和5年度は令和4年度に得られたデーターからの横断研究結果を再評価し、第36回日本肘関節学会学術集会にて発表した。また令和4年度メディカルチェック施行時に肘関節無症候性選手91名を対象に、令和5年度のシーズン中に肘関節痛を発症した投手を前向きに調査した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
メディカルチェック施行時に内側肘関節痛を認めなかった選手は91人に対し、令和5年度シーズンにおいて、新たに投球側内側部痛発症を前方視的に調査した。91人中44人の追跡調査を行った。3人の投手に新たに投球時に肘関節痛を認めた。統計学的評価を行うにはサンプル数が少ないため、調査引き続き継続する。
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今後の研究の推進方策 |
メディカルチェック施行時に内側肘関節痛を認めなかった選手は残りの47人に対し、令和5年度シーズンにおいて、新たに投球側内側部痛発症を前方視的に調査する。 本研究で得られた研究結果を英語論文として発表する。
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