研究課題/領域番号 |
21K17615
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小塩 靖崇 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部, 研究員 (10807085)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | アスリート / メンタルヘルス / 疫学 / スポーツ / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アスリートのメンタルヘルスの実態として、1)メンタルヘルス症状及び障害の有病率やその要因、2)不調時における対処行動の促進・阻害要因、3)自身のメンタルヘルス状況が見える化されることは、メンタルヘルスへの態度、行動にどのような影響を与えるのかという学術的問いに取り組む。 「競技アスリートを対象としたwebアンケート調査(研究1)」、「生活記録(ライフログ)調査(研究2)」、「アスリート向けメンタルヘルススクリーニングツールの開発(研究3)」の3つの研究を行うことで、国内アスリートにおけるメンタルヘルスの実態を明らかにし、具体的な支援策を検討することを目的とする。
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研究実績の概要 |
日本ラグビーフットボール選手会と共同で日本のエリートアスリートを対象に調査を実施した。調査の分析から、メンタルヘルス不調(精神疾患が疑われる状態を含む)が高頻度に発生することとその関連要因(Ojio, et al. 2020)、不調時の対処行動の特徴(Ojio, et al. 2021)、心理的ストレスから専門家による治療を要する群のような多様なニーズがあること(Ojio, et al. 2022)、メンタルヘルス課題はチーム内の人間には特に相談しにくいこと(Oguro & Ojio, accepted)が明らかになった。これらの知見は、どのくらいのアスリートに(潜在的なニーズも含め)、どのようなケアニーズがあるのか、それらを提供するために必要なケアシステムを考えるための資料になる。
また、国際標準で用いられているアスリート向けのスクリーニングツールについて、日本語翻訳版のツール作成を複数行った。作成されたツールは、Sport Mental Health Assessment Tool 1(SMHAT-1)、Sport Mental Health Recognition Tool 1 (SMHRT-1)、Athlete Psychological Strain Questionnaire(APSQ)、Sport Psychological Safety Inventory(SPSI)が含まれる。これらのツールは、本領域の研究推進のためweb上で公開している。
これらの知見は学術団体による学会・イベントでの発表だけでなく、メンタルヘルス教育・研修として、スポーツ界では各競技選手会、チーム、協会等にて、一般集団においては学校や企業、自治体にて複数回講演会を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エリートアスリートへのメンタルヘルス実態調査を継続的に実施し、学術誌・学会等での知見の公表、メディアでの発表を積極的に行っている。国際比較が可能なスクリーニングツールを複数開発・公開した。
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今後の研究の推進方策 |
国内のエリートアスリートへのメンタルヘルス実態調査を引き続き継続する。調査実施の際には、開発したスクリーニングツールを用い、国際比較も行うこととする。さらに、開発したツールをウェアラブルデバイスや携帯型端末を用いた生活記録等に搭載し、生活習慣やライフイベント、競技パフォーマンス、精神的健康度を日々計測し得られるデータの分析から明らかにすることを目標とする。
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