研究課題/領域番号 |
21K17621
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
福本 寛之 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00779308)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 皮質脊髄路興奮性 / 経頭蓋磁気刺激法(TMS / 二重課題法 / 随意的筋弛緩 / 皮質抑制性 / 経頭蓋磁気刺激(TMS) / 二重課題 |
研究開始時の研究の概要 |
日常生活やスポーツでは筋収縮だけではなく,随意的な筋弛緩も動作遂行のための重要な要素となる。さらに,2つのことを同時に遂行しなければならいない(二重課題)場面も多々ある。しかし,随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が随意運動の発現に関わる皮質脊髄路興奮性ならびに皮質抑制性に及ぼす影響については未だ不明な点が多い。本研究では随意的な筋弛緩と認知課題による二重課題を用いて,随意運動発現過程を検討することを目的とする。本研究成果は,我々の生活に密接に関係している,身体運動の正しい理解やスポーツパフォーマンスの向上に対して重要な知見となることが期待できる。
|
研究実績の概要 |
本研究全体を通して,これまで評価されていなかった随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題を同時に行う際の随意運動の発現過程さらにその時の二重課題干渉を,皮質脊髄路の興奮性の指標であるMEPならびに皮質抑制性の指標であるCSP durationという神経生理学的指標を用いて評価するための研究計画を立てた。 本研究では,随意運動の発現に大きく関与している,一次運動野(primary motor cortex: M1)からの運動指令の伝導路である皮質脊髄路の興奮性を経頭蓋磁気刺激法(transcranial magnetic stimulation: TMS)を用い,筋から誘発される運動誘発電位(motor-evoked potential: MEP)振幅ならびに皮質抑制性を反映するCSP durationを指標にすることで非侵襲的に評価する。 本研究は,随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響(実験①),随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質抑制性に与える影響(実験②),二重課題のトレーニングが皮質脊髄路の興奮性ならびに皮質抑制性に及ぼす影響(実験③)を検討する,3つの実験で構成される。 実験中は参加者には,安静座位状態で1)安静条件,2)認知課題条件,3)10%MVCと30%MVCから音に合わせて完全脱力の状態にする(0%MVC)課題(単一運動課題条件),4)3)の課題と同時に2)と同様の認知課題を遂行する課題(二重課題条件)を行ってもらう。それぞれの課題において,左運動野(M1)をTMSで刺激し,右手第一背側骨間筋(FDI)から 皮質脊髄路興奮性の指標となるMEPを記録することとした。令和4年度の進捗としては,上述3つの実験課題を遂行するための実験システムの確立まで完了している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度は,随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響について明らかにすることを目的とした。 令和3年度は,実験のためのシステム構築ために時間を割き,またコロナウイルスの影響もあり,現在,予備実験を実施している状況であるため,進捗状況としては当初の予定より遅れが生じている。
令和4年度の進捗としては,上述3つの実験課題を遂行するための実験システムの確立まで完了しており,令和5年度に18歳以上の右利きの一般健常男女を対象に本実験を予定している。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度までに予定していた実験を完遂することを優先する。 具体的には,随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質脊髄路の興奮性に与える影響(実験①),随意的な筋弛緩を伴う運動課題と認知課題からなる二重課題の遂行が皮質抑制性に与える影響(実験②)について検討する実験を遂行する。またデータの解析,学会発表,論文投稿を目指す。
|