研究課題/領域番号 |
21K17628
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
劉 暢 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (30880330)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 中国武術 / 武術太極拳 / 近代化 / 柔道 / 武道 / wushu / 競技化 / Wushu / 国際化 / シュアイジャオ / 文化変容 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は日本における中国武術の受容と変容過程を明らかにすることと、日本武道が中国武術の近代化に及ぼした影響の解明である。具体的には歴史学の手法を用いて以下の両課題に取り組む予定である。 ①研究目的を果たすため準備作業として、現存する中国武術の史・資料に対する歴史的な批判検討、新たな史・資料の収集、重要史・資料の翻訳などを通して、中国武術研究の基盤を構築する。 ②中国の近代化が見られた20世紀初頭に注目し、当時中国で出版された日本武道関係の訳書を中心に、日本武道(特に柔道)が中国武術の近代化に与えた影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では日本において①現存する中国武術の史・資料の整理、および新たな史・資料の収集、重要史・資料の翻訳、②中国武術の近代化過程で日本武道よりどのような影響を受けたのか、という二つの課題を立てた。 ①に関して、関係図書1027冊(電子書籍も含む)、雑誌886冊など、中国武術に言及した一次資料を含む史・資料計2000点以上を収集することができた。これによって中国武術研究の基盤構築を試みた。②の問題に関して、20世紀前半の中国で刊行された日本武道の訳書、中等学校で使用した教材などを用い、柔道の技術(特に寝技、関節技など)がシュアイジャオ(中国式のレスリング)に影響を与えたことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本国内における中国武術に関する研究は関係史・資料の不整備や一次史料の不足のため、僅少である。本研究は中国武術研究に新たな研究材料を提供し、中国武術と日本武道の関係の整理、並びに両者の伝播過程をより包括的に捉えるための重要な作業として位置付けることができる。そこに本研究の学術的意義がある。 日本では中国武術は武術太極拳と称されており、その愛好者人口は約150万人いる。本研究の成果を通して武術太極拳を愛好者や、中国武術と関係の深い日本武道の愛好者にそれぞれが実践している技術の歴史を知る機会を提供した点や、文化資料を保存した点に本研究の社会的意義がある。
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