研究課題/領域番号 |
21K17634
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
浅原 亮太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90847584)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | 脳萎縮 / 脳活動 / MRI / 脳血流量 / 認知機能 |
研究開始時の研究の概要 |
わが国では、認知症高齢者の急増が医療・社会的問題となっており、認知症の進行を抑制できる早期段階で発見することが求められている。認知症は認知機能検査や脳萎縮の程度から診断される。しかし、脳の萎縮と認知機能が対応しない高齢者が多く存在し、これが認知症の診断や早期発見を困難にしている原因の一つと考えられる。高齢者では、認知課題時の脳活動が若年者よりも高くなることが報告されており、脳の萎縮により生じうる機能低下を代償するためのメカニズムが働いていることが示唆される。そこで、本研究では、脳の構造と神経活動の統合的な評価から、脳の形態と認知機能の“不一致”を生み出すメカニズムの解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
認知症高齢者の急増が医療・社会的問題となっており、認知症の進行を抑制できる早期段階で発見することはとても重要である。認知症は、認知機能検査や脳の形態評価から総合的に診断される。しかし、脳萎縮と認知機能が対応しない高齢者が多く存在し、脳の形態と認知機能の”不一致”が認知症の早期発見を困難にしている原因の一つと考えられる。本研究の目的は、『脳が萎縮しても認知機能が保たれている高齢者では、残存している脳神経細胞や神経ネットワークが補償的に活動することによって機能を保っている』という仮説を検証することである。本研究では、「脳の萎縮の程度に応じて神経活動も変化する」という独自の観点を取り込むことで、脳と認知機能の関連の全容解明を目指す。 研究2年目の2022年度は、認知機能に問題のない健常高齢者50名、軽度認知障害者25名を対象に、認知機能検査、およびMRIを用いた脳の形態計測、認知課題時の脳活動、脳全体に血液を灌流する内頸動脈・椎骨動脈血流量の計測を行なった。脳の形態計測から、健常高齢者と軽度認知障害者のいずれも、健常若年者と比べて、脳の萎縮が生じていることが確認された。脳の萎縮の程度は海馬など一部の領域を除き、健常高齢者と軽度認知障害者で大きな違いは認められなかった。しかしながら、認知課題時の脳活動、脳血流動態に関しては、健常高齢者と軽度認知障害者で異なる動態を示すことが確認された。この結果は、脳活動や脳血流動態が、脳の形態と認知機能の”不一致”を説明する可能性があることを示唆した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では、若年者25名、健常高齢者50名、軽度認知障害者25名の認知機能検査とMRI計測を2023年度途中まで行う予定であったが、実験が軌道に乗り、計画を前倒しで進められたため、2022年度中に全てのデータ収集を完了できた。したがって研究は、当初の計画以上に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、想定を超えるペースでデータ収集を行うことができ、当初計画していた人数のデータを収集できた。 2023年度は、データ解析を進め、成果を論文や学会発表で広く発信する予定である。
|