研究課題/領域番号 |
21K17635
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東洋大学 (2022) 筑波大学 (2021) |
研究代表者 |
田名辺 陽子 東洋大学, ライフデザイン学研究科, 学術振興会PD (90781873)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | クルクミン / トレーニング / 筋肥大 / 高齢者 |
研究開始時の研究の概要 |
クルクミンはウコンの主成分であり抗炎症作用を有する。申請者はこれまでに、若年者におけるクルクミン摂取が運動後の筋力低下を軽減することを報告した。一方、加齢による骨格筋量の減少や筋力低下に炎症反応が関与していることから、クルクミン摂取が高齢者の筋量や筋機能の維持・向上に効果的であり、さらには筋力トレーニング効果を相加的に向上させると予想されるが、それらに及ぼす影響は不明である。本研究では、高齢者においてクルクミン摂取と筋力トレーニングが骨格筋量および筋機能に及ぼす影響を検討し、さらに炎症反応が関与する筋線維再生系とタンパク質代謝系に着目してメカニズムの検証をすることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、高齢者においてクルクミン摂取と筋力トレーニングが骨格筋量および筋機能に及ぼす影響を検討することを目的としている。昨年度、本研究でのクルクミン摂取量を決定することを目的に、クルクミンの血中および間質液中動態を明らかにするための予備的な検討を行った。対象者に異なる用量のクルクミンを摂取させ、摂取後1,2,3時間に血液および皮膚透析液(間質液成分を反映する)を採取した。本年度は、その際に得られた血液および透析液におけるクルクミン濃度を分析した。その結果、間質液中で増加しているクルクミン濃度は、血中のものと比較して非常に小さい可能性が示された。細胞間での栄養を運搬している間質液中でのクルクミン動態を明らかにすることは血液中だけでなく末梢組織の細胞にクルクミンが運搬されている可能性が示されると考えていたが、これらの結果よりクルクミンは細胞質内に漏出していない可能性や、素早く代謝されてしまうことが予想された。クルクミンの吸収速度に個人差があることから、今後対象者を増やし検討したいと考えている。 また、研究実施計画の一部である若年者のトレーニング期における慢性的なクルクミン摂取についての予備実験を計画し、測定項目やクルクミン摂取量について検討した。クルクミン摂取量は、間質液中でクルクミンが検出される濃度に設定する予定であった。しかし、上記の結果より困難であると判断したため、摂取量の基準内でいくつかの条件を設定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、研究機関の変更に加えて海外に研究拠点を移したこともあり、新しい環境で実験を遂行することが難しかった。また、高齢者をリクルートすることが難しく、本実験が実施できなかった。以上より、本年度は予備検討とその分析に留まっていることから、やや遅れて進行していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画の一部である、若年者において長期的なクルクミン摂取の有無がトレーニングによる筋肥大や筋機能に与える影響を検討する。予備実験を実施し、結果によって本実験を行うか決定する。これらが明らかになれば、これまで報告されてきた試合などの急性期だけではなく、トレーニング期においても筋力や筋量の保持にクルクミン摂取が有用である可能性を示すことができる。
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