研究課題/領域番号 |
21K17651
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
久藤 麻子 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10289605)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 口腔内細菌叢 / 妊娠期の栄養 / コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠期および授乳期の母親の栄養状態が次世代の健康に影響することが報告されており、妊娠期の栄養摂取状況が児の腸内細菌叢形成に影響するとの報告はある。しかし妊娠期の栄養摂取状況と口腔内細菌叢との関連についての報告はない。また、乳幼児期の口腔内細菌叢が児の体重増加量と関連することが海外では報告されているが、本邦では明らかになっていない。本研究では妊娠中の母親の栄養摂取状況が児の口腔内細菌叢構成へ及ぼす影響および児の口腔内細菌叢と児の成長・発育への関連を縦断で検討し、口腔内細菌叢を介した妊娠期の栄養摂取に関するエビデンスと児の肥満予防、生活習慣病予防につながる知見を得る。
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研究実績の概要 |
本研究では妊娠期の栄養摂取状態がその児の口腔内細菌叢形成、及びその児の成長・発育への関連を縦断で検討することを目的としている。母親とその出生した児を3歳まで追跡する前向きのコホート研究を活用し、市で実施する1歳半健診時(1歳8か月時に実施)と、3歳児健診(3歳8か月時に実施)に唾液採取、生活習慣に関する質問紙調査、健診記録の取得を行っている。 今年度は昨年度に引き続き、1歳半健診時および3歳児健診での母・児の調査を実施した。今年度末で累積の唾液採取件数は母、妊娠期599件・産後1か月412件・産後1年半306件・産後3年半339件、児、生後1か月414件・1歳半306件・3歳半346件となった。1歳半健診時対象者は今年度で追跡が終了したため、次年度は3歳児健診対象者の母・児の調査を継続して実施する予定である。 成果として妊娠期、産後1か月、産後1年半の母について細菌叢解析を実施し、学会発表を行った。妊娠中には細菌の種類が少ないこと、妊娠中と産後1か月、妊娠中と産後1年半の母親の唾液細菌叢の構成は変化することを明らかにした。 またCOVID-19パンデミック前(以下コロナ禍前)とCOVID-19パンデミック中(以下コロナ禍中)の妊婦のストレス、睡眠、食行動の違いについて明らかにした。コロナ禍により主観的なストレスを感じている妊婦は増加したが、 Kessler 6項目精神的苦痛尺度での差は認められなかった。コロナ禍中妊婦の睡眠時間は増加した。外食頻度は低下し、食品の摂取については魚の摂取量に差が見られた。 次年度は唾液サンプルのメタゲノム解析数を増やし、妊娠中の母親の栄養摂取状況や食習慣の違いによる母・児の口腔内細菌叢の違いについて解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症蔓延により、コホート参加者を募る産婦人科、小児科、市の健診への出入り制限のため、令和3年度リクルート及び唾液採取調査をその都度休止した。結果として、令和5年度についても唾液採取の追跡および質問紙データの取得が当初の予定より遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
妊娠中の母親の栄養摂取状況と生後1か月時の児および1歳半児の口腔内細菌叢との関連の検討、児の口腔内細菌叢と体重増加量との関連の検討を行う予定である。
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