研究課題/領域番号 |
21K17666
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
吉岡 健人 東邦大学, 薬学部, 講師 (50758232)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ドコサヘキサエン酸 / 脳底動脈 / プロスタノイドTP受容体 / ドコサヘキサエン酸 (DHA) / K channel / ストア作動性カルシウムチャネル (SOCC) / DHA / 脳動脈 / 血管平滑筋 / 脳血管 |
研究開始時の研究の概要 |
魚油に豊富に含有されるn-3系多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸 (DHA) やエイコサペンタエン酸(EPA) はその長期的摂取が循環器疾患に対し保護効果を持つことが疫学的に知られている。本研究は、申請者らが新たに可能性を見出した『脳血管特異的に存在するDHAの血管収縮抑制作用』を検証し、その背後に存在する分子基盤を、薬理学、生化学、分子生物学等の多角的なアプローチによって解明することを目的としている。これにより、n-3系多価不飽和脂肪酸摂取の脳血管疾患予防効果に対する新たな科学的根拠を提示することが可能となる。
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研究成果の概要 |
n-3系多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸 (DHA) の持つ脳血管特異的な収縮抑制効果について検討し、以下の結果を得た。 1. ブタ冠動脈と脳底動脈のいずれにおいても、DHAはプロスタノイドTP受容体において競合的拮抗作用を示し、TP受容体を介した収縮反応を強力に抑制した。2. 脳底動脈ではDHAはエンドセリンによる収縮反応も抑制することが見出され、この機序は特定のK+チャネルを開口することによってもたらされる可能性が見出された。3. DHAによるストア作動性カルシウムチャネルの抑制効果を見出した。ただし、この抑制効果は脳底動脈特異的ではなく、胃底平滑筋および培養細胞で確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DHAは魚油に豊富に含有される脂肪酸の一種であり、循環器系疾患に対する予防効果が数多く報告されている。今回のブタ脳底動脈を用いた検討によって、DHAが複数の機序で脳底動脈の過剰な収縮を抑制出来る可能性を示した。脳血管の異常収縮を伴う疾患に対し、DHAの摂取が広く予防効果を発揮する可能性を提示することができた。また、DHAの新たな標的としてSOCCを見出した。
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