研究課題/領域番号 |
21K17668
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
後藤 亜由美 中部大学, 生命健康科学部, 客員研究員 (20780969)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 骨格筋 / CREG1 / 筋分化 / 筋線維タイプ / 筋再生 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会を迎えた我が国において、サルコペニアの有効な治療・改善法は見当たらず、その解明は高齢者の寝たきり予防や健康寿命の増進に極めて重要である。CREG1は細胞の増殖・分化に関わる内分泌因子であることが明らかとなってきたが、骨格筋における役割は不明である。申請者は「CREG1が骨格筋分化能低下による筋再生能低下の改善に寄与し、サルコペニア改善の標的分子である」との仮説の基に本研究を推進する。本研究によりCREG1が骨格筋の筋分化能ならびに筋再生能に及ぼす影響が解明されれば、将来的に安全で実用性が高いサルコペニアの治療法開発に繋がるものと期待される。
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研究実績の概要 |
本年度は、CREG1が骨格筋分化ならびに骨格筋機能に及ぼす影響について検討した。我々はこれまでの研究過程で使用していた野生型(WT)マウスに比べて血中CREG1レベルがおよそ2倍量である脂肪組織特異的CREG1過剰発現(Tg)マウスを用いた解析を行った。初めに骨格筋機能におけるCREG1の役割を評価したところ、握力テストにおいてはWTマウスと比較してTgマウスで有意に高値を示すことが認められた。一方でWTマウスとTgマウスにおける体重と筋重量ならびに各組織重量において有意な差は見られなかった。次に遅筋優位のヒラメ筋と速筋優位の足底筋における筋線維タイプ組成について免疫化学染色を行った結果、Tgマウスのヒラメ筋ではType Ⅱxの筋線維が有意に増加した。さらにヒラメ筋においてはType ⅡxをコードするMyh1の遺伝子発現においてもWTマウスと比較してTgマウスで増加する傾向が認められた。そこで遅筋優位のヒラメ筋に着目してタンパク質解析を評価したところ、TgはWTと比較して予想外にCREG1の発現量レベルが有意に高値を示した。さらに、TgはWTと比較して筋分化に関与するMyogeninの発現量やタンパク質合成経路に関与するAkt-mTORのシグナル伝達経路の活性化が認められた。次にマウス由来筋芽細胞株C2C12を用いてCREG1をノックダウンしてCREG1の発現レベルを低下させると、筋分化マーカーであるMyoDの発現量は低値を示した。一方で、精製CREG1(1μg/ml)を投与することでCREG1ノックダウン細胞におけるMyoDの低下を回復させた。さらにAkt-mTORのシグナル伝達経路は精製CREG1の刺激時間に伴い増加した。以上の結果から、骨格筋におけるCREG1は、遅筋線維の速筋化に関与することで筋力の向上に寄与し、筋分化へ関与する刺激であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響により研究に対する様々な制限があったが、その中で骨格筋細胞におけるCREG1の分化や筋線維組成タイプにおける役割についての重要な知見が得られたことは当初の研究計画通りであり、今後の更なる研究進展に繋がると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究計画に沿ってCREG1が骨格筋再生過程に及ぼす作用について検討する予定である。本検討では我々の研究室で独自に樹立したCREG1-Tgマウスは骨格筋CREG1遺伝子のタンパク質発現量が野生型マウスのおよそ2倍であることが明らかとなったため、当初予定していた研究内容を一部変更して、内因性骨格筋CREG1の増加が骨格筋再生に及ぼす影響について評価する。さらに最終年度であるため、これまでに得られてきた結果を含めて学会発表ならびに国際誌に投稿する予定である。
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