研究課題/領域番号 |
21K17677
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
近藤 位旨 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究部, 研究員 (30832307)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 骨代謝 / 閉経後骨粗鬆症 / エストロゲン / 炎症 / ムチン / 骨粗鬆症 / 骨密度 / 閉経 / 女性ホルモン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、閉経が骨髄での炎症を惹起することや女性ホルモンが大腸上皮のムチン分泌を制御していることが明らかになった。これらの知見と申請者が観察した閉経後骨粗鬆症モデルマウスにおける大腸上皮の炎症から、閉経は大腸上皮のホメオスタシスを破綻させ、腸内細菌由来LPSによる炎症の増加を介して破骨細胞を活性化することで、骨密度の低下を惹起すると考えられる。そこで、本研究は、閉経による骨密度低下のメカニズム解析を目的とし、本モデルマウスを用いて、閉経による大腸上皮の炎症、血中LPS濃度、大腸のムチン分泌への影響を解析し、さらには大豆イソフラボンは大腸の炎症抑制を介して骨密度の低下を抑制するのか否かを検討する。
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研究成果の概要 |
閉経に起因する骨密度の低下は女性ホルモンの欠如のみからメカニズムが説明されている。本研究では、女性ホルモンの欠如が大腸のホメオスタシスを破綻させ、大腸由来の炎症性物質が骨密度低下を誘導するのか否かを検証した。その結果、正常メスマウスと閉経後モデルマウスにおいて、盲腸内ムチン量、血中LPS結合タンパク質濃度に変化はなく、生体位において女性ホルモンの欠如が大腸のバリア機能に影響しないという結果を得た。一方、骨髄遺伝子の網羅解析を行ったところ、女性ホルモンの欠如が細胞死の1つであるフェロトーシス経路を抑制することを見出した。この知見は抗炎症成分による骨密度低下の作用機序を説明する可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
閉経により生じる疾患は女性のキャリア形成に限らず、生活の質を著しく低下させる。女性ホルモンの分泌停止が大腸のバリア機能に影響しないという知見は骨密度低下の主要因とされる炎症が何に由来するのかを探索手掛かりになる。また、骨密度低下とフェロトーシスの関連性は、これまでに存在しない副作用のない閉経後骨粗鬆症予防食品を開発するきっかけとなる。
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