研究課題/領域番号 |
21K17685
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
北田 研人 香川大学, 医学部, 助教 (30882493)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ATP6ap2 / 筋萎縮 / 塩 / 体液 / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢や現代の生活習慣に伴う筋萎縮は、健康寿命の低下に直結するが、その発症・進展機序の詳細は明らかにされておらず、予防・治療法も存在しない。申請者は、様々な生活習慣病のリスク因子である高食塩摂取が、筋肉量の低下を引き起こすことを発見した。しかしながら、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムは不明である本研究では、ATP6ap2に焦点を当て高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムを解明し、加齢や現代の生活習慣に伴う筋委縮機序の一端を明らかにする。将来的には、食塩の摂り過ぎや加齢に伴う筋委縮を、ATP6ap2を創薬標的とした予防・治療法により克服し、超高齢化社会において健康寿命の延長を達成する。
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研究実績の概要 |
加齢や現代の生活習慣に伴う筋萎縮は、健康寿命の低下に直結するが、その発症・進展機序の詳細は明らかにされておらず、予防・治療法も存在しない。我々は、様々な生活習慣病のリスク因子である高食塩摂取が、筋肉量の低下を引き起こすことを発見した。しかしながら、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムは不明である。 RNA sequencingにより筋肉の全転写物の塩基配列を測定し、バイオインフォマティクス解析を行ったところ、様々な加齢性変化を促進する遺伝子であるATP6ap2(ATPase H+ Transporting Accessory Protein 2)が高食塩摂取に伴う筋萎縮と関連していることを同定した。そこで、ATP6ap2に焦点を当て、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムの解明を進めている。2022年度までの研究により、ATP6ap2に対するワクチンを作製し、その投与により、高食塩負荷に伴う筋萎縮を予防できることを見出している。現在、動物実験で得られたサンプルや培養骨格筋細胞を用いた実験を開始し、詳細な分子メカニズムの解明にも着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高食塩摂取に伴う筋萎縮をATP6ap2に対するワクチンの投与により予防できることをすでに発見した。また、本実験により得られた組織サンプルや培養細胞を用いた実験を開始し、高食塩摂取下においてATP6ap2に惹起される筋萎縮メカニズムの一端も解明できており、本研究課題は順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
順調に本研究が進展しているため、引き続きATP6ap2に対するワクチン、中和抗体、培養細胞を用いた実験を継続し、高食塩負荷がどのようにATP6ap2を介して筋肉量を減少させるのか、その詳細なメカニズムを解明し、本研究計画の目的を達成させる。また、筋肉の「量」のみならず「質」も評価するため、マウスの筋力測定を今後実施する。それにより、高食塩負荷やATP6ap2が筋力にも影響を与えるかについて解析する。
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