研究課題/領域番号 |
21K17716
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | フェリス女学院大学 (2022) 大分県立看護科学大学 (2021) |
研究代表者 |
渡邉 弘己 フェリス女学院大学, 国際交流学部, 准教授 (20839922)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 高次元データ / ファクターモデル |
研究開始時の研究の概要 |
高次元データ解析のための手法は多く提案されているが、多変量正規性の仮定や、共分散行列の構造に関する仮定が置かれているものが多く、これらの仮定を満たしていない高次元の実データを解析することは困難である。そこで、ファクターモデルを応用した新たな高次元統計解析法を提案する。ファクターモデルは少数の潜在因子の存在を仮定したモデルであり、高次元データとの相性も非常に良い。ファクタ―モデルを応用した高次元統計解析手法は、今まで解析することが困難であった高次元データに対しても妥当な統計解析が可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究はマイクロアレイデータなどに見られるような最初の数個の固有値が極めて大きい高次元データに対しても、精度を損なうことなく統計解析が行える手法を開発することで、高次元データを扱う多くの応用分野の発展に寄与することを目的としている。 2022年度においては、研究計画書の計画では「研究課題(B)多変量分散分析法における検定統計量の漸近分布を導出し、それを利用した検定を提案する」としており、この研究課題を遂行する予定となっていたが、現在、ファクターモデルを仮定したデータに対して等分散を仮定できる平均ベクトルの検定手法が既に提案されていることを受けて、「研究課題(C)共分散構造に関する検定問題の検定統計量の漸近分布を導出し、それを利用した検定を提案する」を先行して遂行することとした。 共分散構造の検定については、次元数より標本サイズの方が大きいデータであれば尤度比検定によって検定可能であるが、そうでないデータに対しては尤度比検定を定義できない。高次元データに対する共分散構造の検定は共分散構造の差のフロベニウスノルムが0か否かという検定が既に提案されている。そこで、本研究ではファクターモデルを含むいくつかの仮定の下、このフロベニウスノルムの推定量の漸近的性質を示し、この検定問題における検定統計量の漸近分布がとある重み付きカイ二乗分布の和で表現されることなどを理論的に証明した。そして、今後、モンテカルロシミュレーションにより、提案手法の検定統計量の漸近分布の近似精度を、高次元データに対する既存の手法と数値的に比較評価することにより、提案手法の有用性を確認し、研究成果を欧文誌に投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度より大学を異動したことにより必要となった研究環境の整備や学内業務の増加に伴い、当該研究にかけられる時間が当初の予定より少なくなってしまったことが理由として挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
共分散構造に関する検定について、提案手法と既存のいくつかの検定手法の第1種の過誤や検出力などについて数値シミュレーションにより比較評価を行い、前年度までの理論的結果も含めて欧文誌にまとめ投稿する。その後、ファクターモデルに関する別の研究課題についても着手する。
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